三宅香帆が意識的に選ぶ、相手の心に響く「ほめ言葉」と聞く耳をもってもらえる「しかり言葉」写真はイメージです Photo:PIXTA

部下や後輩をほめるとき、あるいは注意をするとき、どんな言葉を選ぶかで相手の受け取り方は大きく変わる。「優秀だね」「仕事が雑すぎるよ」などの一般論では、相手の心に響かない。本当に相手を動かすフィードバックの方法とは?ベストセラー『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の著者である三宅香帆が、相手に伝わる「ほめ言葉」と「しかり言葉」を教える。※本稿は、文芸評論家の三宅香帆『伝わる言語化 自分だけの言葉で人の心を動かすトレーニング』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。

とくにビジネスシーンでは
説得タイプの言語化が求められる

 厳密な線引きがあるわけではないのですが、「他人に対する言語化」というのは、大きく以下の2つにわけることができます。

・感想タイプ
 具体的な場面:映画や本、過去の出来事などに対する感想や思いの発信

・説得タイプ
 具体的な場面:面接やプレゼン、営業トーク、部下へのフィードバックなど

 この2つの違いは、「何をゴールにして語るのか」、つまり言語化の「目的」にあります。

 感想タイプの言語化の目的は、「率直に自分の思いを伝える」ことです。映画や漫画の感想にかぎらず、嬉しかった出来事とか自分自身の成長などを語る場合なども含め、「自分の思いをとりあえず誰かに伝えたい!」というのが感想タイプの言語化です。

 もちろん感想タイプの言語化でも誰かの心を動かせる場合はありますし、「相手をどこに連れていきたいのか?」をわかっておくほうが伝えたいことが伝わりやすいのも確かです。ただし、あくまでもそれは結果であって、「自分が伝えたいこと」を伝えられれば、とりあえず目的は果たされたことになります。