「しんどい現実の悩みが消える、ある考え方があります」
そう語るのは、アートディレクターの川原マリアさん。「ニューヨーク・タイムズ」で紹介されるなど活躍する川原さんですが、6人きょうだいの貧しい母子家庭で育ち、12歳からの6年間を「修道院」で過ごしています。あらゆることが禁止された環境と向き合ったことで、思いどおりにいかない現実に「悩まない」ための考え方を身につけました。
その川原さんが「しんどい現実がラクになる考え方」をまとめたのが、書籍『不自由から学べること』。悲観でも楽観でもない現実とのまったく新しい向き合い方が、「読んで気持ちが軽くなった」と話題に。この記事では本書より一部を抜粋・編集し、「絶対に悩まない人の考え方」を紹介します。
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現実は「不自由」なことだらけ
規則、役割、他人、環境、そして運命……。人生には、さまざまな「不自由」が立ちはだかります。
そして残念ながら、そんな現実を変えることは容易ではありません。
必死に抵抗しても、その努力が無に帰することも少なくないでしょう。心を病んだり、現実に絶望して自ら命を絶ってしまったりする人さえいます。
でも、そんな不自由な現実の前で嘆くだけなんて嫌ですよね。一度しかない人生、不自由さを抱えたまま生きていくなんて耐えられません。
「半分の水」を、どうとらえますか?
変えることのできない「不自由な現実」に悩む私たちができること。その核心をお伝えしましょう。
それは、現実の見方を変えることです。
たとえ現実は変わらなくても、それが持つ「意味」は見方によって変わります。
有名な、「水の入ったコップの話」があります。水が半分まで入っているコップを見て、どう感じるか、というものです。
多くの人の回答は2つのパターンに分かれますが、本書でお伝えするのは3つめの考え方です。
「悲観」する人と、無理に「楽観」する人
一般的な2つのパターン、1つはこれです。
「たった半分しかないなんて」
そう感じて、不満を抱く人は少なくありません。
現実を受け入れることができず、腹を立てたり、悲観したり。
こういう人は、とても「悩みやすい人」だと言われます。
一方で、こう感じる人もいます。
「まだ半分もある」
そう感じられる人は、よく「悩まない人」だと言われます。
現実をポジティブに考えることができて、悲観せずに受け入れられるからです。
ですが、誰もがこんなふうに楽観的に考えられるわけではありません。
水が半分しかないのは、揺るぎようがない事実です。それを「半分もある」と、事実を肯定して我慢することは簡単ではありません。「やっぱり、もっと欲しい……」という欲望が湧いてきてしまうことでしょう。
そして、「水がない」という事実に不自由さを感じてしまいます。