2月2日午前Aランクも「難関疲れ」が鮮明に

 2024年からBランクに戻った本郷[1回]([  ]内は入試名、以下同)は、図1には入っていないが、24年461人・2.81倍から25年570人・3.45倍と109人も増やしており、第一志望校としての人気上昇ぶりを示す。普通部と並ぶ25年最注目校であることを記しておきたい。

 さて、1日午後は、併願先として中堅校を受ける受験生が多いこともあって、男子のA・Bランクは2校しかなかった。Aランクは「本科」と「ISG」の入試区分がある広尾学園[2回]のみ。25年(24年)の受験者数・倍率を見ておくと、「本科」は229(237)人・2.41(2.79)倍、「ISG」は120(128)人・5.71(2.1)倍と、特に倍率が大きく動いている。

 Bランクの受験者数合計は、24年1894人から25年は2239人と大きく増えた。該当する学校が増えたからだ。Aランクと同様に見ていくと、巣鴨[算数選抜]は588(652)人・2.18(2.3)倍、東京都市大学付属[2回ll類]は529(635)人・2.13(1.66)倍、開智日本橋学園[特待生]は112(150)人・4.48(2.78)倍といずれも25年は受験者数を減らしている。世田谷学園は、スライド合格があるため25年に1倍を割っている[算数特選(本科)]36人・0.31倍がBランクに、24年に360人・3倍だった[算数特選(本科)]が25年はCランクとなって入れ替わった。

 25年にCランクから加わった広尾学園小石川[2回]は「本科」が48人・3.2倍、「ISG」が46人・3.83倍、東京農業大学第一[2回]は「算理」が300人・2.38倍、「算国」が174人・2.45倍、山手学院[特待選抜1]は406人・1.85倍と大人気で、Bランクの受験者数を増やしている。24年に97人・3.13倍だった鎌倉学園[算数選抜]は25年にCランクとなっている。

 図2は2月2日午前の難関・上位校で、25年の受験者数は1日午前よりも2割半弱少ない。25年は前年より100人ほど受験者数合計が減っている。20年代の推移は、この日程もまた「難関疲れ」から免れていないことを示している。

  Aランク5校とBランク4校の受験者数がほぼ同数という点も興味深い。9校のうち、この入試回だけは神奈川男子御三家で「昔風」の代表格である栄光学園のみで、基本的に減少傾向だが、25年は持ちこたえた。24年に持ち直した慶應義塾湘南藤沢も25年は減らしている。

 大きく増やしたのは、現役合格が多い「今風」の代表格である聖光学院[1回]。25年はこちらに合格者が流れたようで、1日午前の東京御三家が追加合格を出している。男子はやはり東大合格者に受験動向が大きく左右されてしまう。高校受験でトップ層が県立横浜翠嵐に集中しているように、中学では聖光学院に集められている印象があるのは、オール神奈川の意思なのかもしれない。

  Aランクの学校はこの5年間変わっていないが、その受験者数合計は20年レベルには届かず、23年から減少傾向が続いている。これも「難関疲れ」の表れと思われる。上り調子だった渋渋[2回]も25年は女子の勢いに押されて減少したものの、25年の倍率は23年・24年同様3.05倍を維持した。渋幕[二次]も21年を底に年々受験生を増やしてきた。25年は321人と減少したものの、倍率は24年6.58倍から25年8.92倍とハードルがむしろ上がったのは、1月の[一次]で最多の合格者を出したことの反動だろう。