ドナルド・トランプ米大統領は選挙期間中、米国が国境や経済政策、通商関係を巡り非常事態に直面していると頻繁に訴えかけていた。だが現在はその主張が、選挙でのレトリック以上のものとなっている。トランプ氏は2期目の始動にあたって大統領権限の行使を強化しており、これまでに打ち出した複数の非常事態宣言はその根拠の一部となっている。一方でこの戦術は、民主・共和両党の関係者らから批判も招いている。同氏はこれまでの数十の大統領令で、エネルギー生産と送電網の整備を加速させることを目的とした「国家エネルギー非常事態」を宣言。また移民と違法薬物の流入を阻止するまで中国、カナダ、そしてメキシコに迅速な関税を課すことを可能にする国家非常事態も宣言した