シェ・ウェイナさん(45)はかつて、1500ドル(約23万円)以上する高級バッグを2カ月おきに購入していた。昨年は、バッグの代わりにジムの会員権とピラティスのレッスンに2800ドルほど費やした。「人は裕福になると、それを誇示するためにモノで自分を満たさなければと感じる」とシェさんは言う。「ただ一定のレベルに達すると、そうした見えのためのモノはもういらないと感じるようになる」中国で高級ブランドの輝きが失われつつある。景気低迷、政治的な緊縮ムード、高級ブランドは時代遅れだと感じる消費者の存在が相まって、ここ数年の業界を押し上げてきたブームに終止符が打たれた。コンサルティング会社ベインの推計によると、中国の高級品市場は昨年、2割ほど縮小した。業界首位の仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンは2024年10-12月期(第4四半期)に、日本を除くアジアの売上高(主に中国の売上高)が前年同期比11%減少したと発表した。グッチを傘下に持つ仏ケリングでは、同じく中国が中心の売上高が24%減少した。
中国の「高級ブランド熱」冷める
LVMHとケリングのアジア売上高が2桁減、中国の景気減速と値上げへの不満で
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