今週、米国とロシアの高官協議のために集まったベテラン外交官や国家安全保障顧問の中で、米ハーバード大学出身のキリル・ドミトリエフ氏(49)は際立った存在感を示した。ロシア政府が米代表団に匹敵する交渉陣をそろえようとする中、米コンサルティング大手マッキンゼー・アンド・カンパニーや米金融大手ゴールドマン・サックスでの経歴を持つドミトリエフ氏が、米ロ間の仲介役として浮上した。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領への絶対的な忠誠で知られ、家族同士の付き合いがあり、事業でも同氏と密接な関係を持つドミトリエフ氏は、クレムリンの権力構造の中で独特の地位を占めている。金融・外交・政治面で影響力を持ちながら、ロシア治安機関での勤務経験がないのだ。