「自分の仕事に足りないことを全部言語化してくれる本」「会社員人生が180度、変わった!」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』シリーズ三部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。
今回は、全ビジネスパーソンに必須の「意思決定」のあり方を指南する、シリーズ最新刊『パーフェクトな意思決定 「決める瞬間」の思考法』の中から、特別に本書のエッセンスを解説する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「あの人、仕事できるよね?」と噂される人がやっている意思決定の技法・ベスト1Photo: Adobe Stock

「勘です」と言ってしまえばいい

「考えうるリスクについて、考え尽くした」
 その段階に至ったのなら、あとは「経験」するしかありません

 社会人を続けていると、使えるお金の金額が大きくなっていくことを体感するでしょう。
 最初は1万円や10万円でも、自分が使うとなると緊張していたはず。

 それが、仕事の大きさに応じて、100万円、1000万円、1億円の予算を扱っていくようになる。

 徐々に「この金額だと、こういうことができるようになるのか」ということが実感として理解できていきます。

 ということは、いくら頭の中でシミュレーションしても、深い理解がやってこないということです。
 目を瞑って想像すれば、誰だってバンジージャンプを飛ぶことができる。

 しかし、それと、いざ実際に飛ぶことは異なるのです

 どうしたって、自分が経験したことしか語ることはできません

 説得力も生まれません。
 それは仕方のないことなのです。

「勘に頼る」という領域

 責任を引き受けて、根拠が少なくても、自分の権限において、意思決定すること。

 それを「パーフェクトな意思決定」という考え方として私は勧めています。
 最終的に、「勘を頼る」ということであれば、それはそれでいいのです。

 そのとき、「最後は勘です」ということをハッキリと明言するのがコツです。

 そこを曖昧にしない。
「申し訳ないが、ここから先は勘です。やってみないとわからない」
 と、口に出して決めることです。

 たとえば、天気予報で「降水確率30%」と出ているとします。
 これは、情報として事実です。

 では、それを受けて、傘を持っていくかどうかをどう決めるでしょうか。
 最初に考えるのは、以前に同じ状況だったときを思い出すことです。

「前に降水確率30%のときに雨が降った」という経験があるのであれば、傘を持っていく判断ができます。

 もし、逆の体験があるのであれば、持って行かなくてもいい。
 どちらにせよ、それは仮説です。

 もっと情報を集めたいのなら、

「他の天気予報を見る」
「専門家から意見を聞く」

 などができるかもしれません。

 しかし、時間は限られています。
 そうなると、最終的には、「勘」ですよね

 そのときに、「降水確率30%なので、それを受けて『傘を持って行かない』と判断しました」ということを堂々と伝える。

 責任の所在を明らかにする
 賛否両論のままで決める

 そうやって、そのときの最善の解答を出すのです。

(本稿は、パーフェクトな意思決定の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)

安藤広大(あんどう・こうだい)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計150万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。