「職場のモヤモヤを全て言語化してくれる本」「会社員人生が180度、変わった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』シリーズ三部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。
今回は、全ビジネスパーソンに必須の「意思決定」のあり方を指南する、シリーズ最新刊『パーフェクトな意思決定 「決める瞬間」の思考法』の中から、特別に本書のエッセンスを解説する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
つねに「未来」から見る
無能な上司は、「目先の利益」のことばかりを考えています。
では、いい上司になるために、何を判断軸とすればいいのでしょうか。
意思決定をするときの判断軸は、いつだって「未来からの視点」です。
一言でいうと、
「未来の自分や組織がトクをするかどうか」
です。
「今」ではなく「未来」というのがポイントです。
なぜなら、利益の反転が起こるからです。
「未来のトク」を選ぶ
「紙での管理をスプレッドシートで統一します」
ということを意思決定したとします。
すると、最初はそのシートを作る作業が発生します。
さらに、それを周知させるために、メンバーを管理するコストも発生します。
それらは短期的に「損だ」と思うでしょう。
ただ、そんなときに未来に視点を置いてほしいのです。
「翌月以降には、全員が使い方をマスターし、スプレッドシートが当たり前になる」
「一度、その状態にすれば、もう戻れない」
など、未来ではトクすることが見込めるでしょう。
だったら、それを選択すべきなのです。
「限りなくシンプル」に考えるための問い
「この決定によって、未来の自分や組織がトクをするだろうか?」
迷ったときは、それを自らに問うてみてください。
「目先」ではありません。
「未来」です。
おのずと、答えがシンプルに導かれるでしょう。
ある営業の人は、大企業向けの受注アップを得るために、次のような意思決定をしました。
「一~二度の交渉だけで結論を迫るのをやめて、長期的に顧客にするために、何度でも話し、有益性を与え続けよう」
相手が大企業の担当の場合、大きな決裁をすることが見込めません。
ただ、長期的に見れば、その人が昇進や異動によって決裁権を持つ可能性があります。
1年後、2年後を見越して、営業をかけていくことができます。
そうして、大きなリターンを得ることにつながるかもしれません。
そのように、半年後や1年後の自分が評価を得るために、いまの判断を下しているでしょうか。
未来に視点を置くことで、そこから逆算して、いまやるべきことやいま決めるべきことが明らかになるのです。
(本稿は、『パーフェクトな意思決定』の著者・安藤広大氏が特別に書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計150万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。