「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

「日本の人口」答えられますか?
先に答えを言ってしまいましょう。日本の人口はだいたい「1億2,000万人」です。知ってるよ!という人も多いかもしれませんね。では、ここでこの1億2000万人の内訳を考えてみましょう。
1億2000万人を平均寿命約80歳(正確には男性81.09歳、女性87.14歳)で割り算すれば、同級生の人口が出ますね。1歳あたりの人口は150万人です。つまり、日本にはあなたと同い年の人がざっくり150万人ずついる計算になります。
しかし、今は生まれる子どもの数が非常に少なく、70万人台となっています(2023年は約73万人)。人口はin(生まれる人)とout(亡くなる人)から成り立っていますから、inは70万人、outはおおよそ同級生の人口150万人となりますので、差し引き80万です。つまり、人口が1年間で約80万人ずつ減っているというのが今の日本で起こっている現象となります。
ただ「人口1億2000万人」と聞いているよりも、人口減少のイメージが少しずつ湧いてきたのではないでしょうか。
数字に強い人は、自分の知識と数字を「くらべる」
では、さっきの「日本の人口」ですが、これ、多いですか?少ないですか?
1億人を越えていますし、なんとなく「多い」と感じる人は多いかもしれませんね。しかし、数字に強い人はここで次のように考えます。
韓国の人口5000万人強とくらべると、多い(だいたい2倍)。
人口1.2億人は、「世界で現在11番目に人口が多い」。
そう、何とくらべるかによって、数の大きい・小さいは変わるのです。
言われてみれば当たり前かもしれませんが、実は数字に強い人は、このように数字の意味を他の数字とくらべて理解しているのです。
これは、みなさんの年収などについても同様です。たとえば、「年収1000万円」と聞くと高そうに思いますが、この額が「日本における年収額」なのか、「アメリカにおける年収額」なのかで、今はずいぶんと違いますよね。
こういった、「くらべるための数字」を本書ではキーナンバーと読んでいます。大きな数字が苦手な人は多いと思いますが、こういった基準となる数字をいくつか知っておくだけで、かなり数字に対しての抵抗感がなくなるようになります。このキーナンバーで実質「数字に強い人」になることができます。ぜひ少しずつやってみてください。
(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』の一部に加筆・調整・編集した原稿です)