英語を勉強しているが、英会話の上達を実感できない――そんな人に試してほしい1冊が『中学英語だけで面白いほど話せる!見たまま秒で言う英会話』だ。「イラストを見る→見たままを英語にする」を繰り返すことで、日本語を介さず瞬時に答える「英語の反射神経」を鍛えることができる。本稿では、著者の森秀夫さん(麗澤大学外国語学部教授)に「英会話の上達が早い人の共通点」について話を聞いた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「体育会系の人は英会話習得が早い」意外な共通点と4つの習慣Photo: Adobe Stock

英語の上達が早い人の「4つの特徴」

──森先生、これまで多くの英語学習者をご覧になってきたと思いますが、特に上達が早い方々にはどのような共通点があるのでしょうか?

森秀夫(以下、森):英会話の上達が早い人にはいくつかの共通点が見られますが、特にスポーツ経験者は英会話の習得が早い傾向にあります。

 スポーツを通じて培った習慣が、語学学習にも役立つからです。具体的には、次の4つの特徴が挙げられます。

1. 間違いを恐れない
2. 継続力がある
3. コミュニケーションを大切にする
4. 自己管理ができる

1. 間違いを恐れない

──まず最初の特徴は「間違いを恐れない」ですね。

:英会話が上達する人は、文法や発音に自信がなくても、とにかく話してみようとします。

 スポーツでも、まず体を動かすことが上達の近道ですよね。同じように英語も使うことで、自分の英語力を実感できたり、うまくいかないことに気づいたりすることができます。

 スポーツ選手が失敗を繰り返しながら成長するように、英語学習でも間違いを恐れずに実践することが大切です。

2. 継続力がある

──毎日の積み重ねも大事ですよね。

:その通りです。英語の上達が早い人は、学習をルーティン化しています。

 例えば、毎朝10分間英語ニュースを聞く、1日1回オンライン英会話を受けるなど、習慣化することで英語力が自然に伸びていきます。

 英語は短期間で身につくものではありません。スポーツでも試合に勝つためには長い練習が必要なように、英語学習もコツコツと続けることが重要です。

3. コミュニケーションを大切にする

──海外や英語環境に飛び込むのも効果的ですか?

:そうですね。英語の上達が早い人は、新しい環境への適応力があります。

 たとえ英語力が低くても、ジェスチャーやシンプルな表現を駆使して、積極的にコミュニケーションを取れる人は上達が早いです。

 英語を話すことは、単なるスキルではなく、コミュニケーションですよね。相手の話をよく聞き、会話を楽しむ姿勢が重要です。

 スポーツでも、チームメイトと良いコミュニケーションを取ることが試合の勝敗を左右するのと同じです。

4. 自己管理ができる

──「4.自己管理ができる」というのは、具体的にはどのような人のことなのでしょうか?

:スポーツ選手がトレーニングのスケジュールやメニューを管理するように、英語の上達には、自分で学習時間を確保し、モチベーションを維持することが必要です。

 また「3か月後に英語で自分の仕事を説明できるようになる」など、具体的な目標を立てることも大事です。

 スポーツでも「次の試合で○○を成功させる」と目標を決めますよね。英語学習も同じで、明確な目標を持つことで学習の方向性がはっきりし、モチベーションの維持につながります。

中学英語のおさらいが、英会話上達の近道

──これから英会話力を伸ばしたいという人に、おすすめの学習法はありますか?

:英語を話すことに自信がない人は、まず中学英語をしっかりマスターすることをおすすめします。

 中学で学ぶ英語はシンプルで実用的な表現が多く、難易度も低いため、アウトプットの反復練習に最適です。

 さらに、日本語の日常会話が簡潔な言葉で成り立っているように、英語でも中学レベルの語彙や表現を自在に使いこなせれば、十分に意思疎通が可能です。

 いきなり難しい表現を覚えようと気合いを入れても、長続きしません。まずはシンプルな英語からスタートして、コミュニケーションの土台を築きましょう。