「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

【10分の動画を1.5倍速再生。何分早く見終わる?】すぐわからない人は数字に弱い二流。数字に強い人はどう考えている?Photo: Adobe Stock

倍速再生、何分お得?

10分の動画を1.5倍速再生。何分で見終わる?

YouTubeの動画を倍速再生している方は多いのではないでしょうか。実際に「時短」になっていると思いがちですが、具体的にどのくらい時間が短縮されているか、意外と計算したことがない人も多いように思います。そこで今回は、10分の動画を例にして、1.5倍速での再生時間を考えてみましょう。

まず、動画の長さを“距離”に、再生速度を“速さ”に、視聴時間を“時間”に置き換えると、学校で習った「はじき」の公式(速さ×時間=距離)で考えられますね。しかし、10は1.5で割れないので、なんとなく計算がしづらいですよね。

しかし、ここで10分を秒に換算して計算しましょう。そうすれば、10分=600秒ですね。

この考え方で、それぞれ計算してみましょう。

分を「秒」に変換して計算する

10分=600秒の動画を1.5倍速で再生する場合、速さが1.5倍になりますね。計算式は次の通りです。
600÷1.5=400秒(約6分40秒)

あっという間に求まりましたね。分を秒に変換しただけで、こんなに、すぐに計算ができました。

ではついでに、1.25倍速・2倍速も考えてみましょう。

1.25倍速で再生する場合、速さが1.25倍なので時間は600秒÷1.25=480秒(8分)です。
そして2倍速の場合は600秒÷2=300秒、つまり5分で見終わる計算です。

こうして見ると、1.25倍速だと2分の短縮にしかならないものの、2倍速では半分の時間で済みます。数字であらためて示されると、倍速機能の時短効果がはっきりわかりますよね。

数字に強い人は「数字の意味を考える」

数字に強い人は、このように「速さ×時間=距離」の式を現実のシーンに当てはめて考えるクセが自然と身についています。一方、数字が苦手な人は「まぁ速くなってるのはわかるけど、どのくらい時短かはピンとこない」と、感覚のまま使っていることが多いかもしれません。実は、ちょっと計算するだけで視聴時間の短縮効果を正確に把握できるのに、それをしないまま「なんとなく倍速再生」をしているわけです。

結局のところ、ちょっとした数値感覚があるかどうかで、時間活用の仕方も変わります。

倍速再生するなら具体的にどのくらい時短になるか、あるいは元の1倍速でどのくらい余計な時間がかかっているのかをイメージしやすくなる。数字に強い人は、数字の意味を考える意識が高いため、こうした判断を素早く正確に行えるのです。

(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』の一部に加筆・調整・編集した原稿です)