プレゼンの時間を最大限に活かそうとするほど、意外な落とし穴にはまってしまうことがあります。その理由とは――。話題の書籍『対話するプレゼン』の著者、岩下宏一は、「伝えたいことをしっかり届けるために、意識しておいた方がいいことがある」と言います。本記事では、『対話するプレゼン』より、本文の一部を抜粋・加筆・再編集してお届けします。

プレゼンで、三流は時間内に説明できず、二流は与えられた時間内にきっちり話し切る。では一流は?Photo: Adobe Stock

「結局、何が言いたいの?」プレゼンが伝わらなくなる“やりがちミス”とは

 プレゼンのための貴重な時間。その価値を最大限に活かそうとする思いから、プレゼン時間ぎりぎりで説明が終わるような、情報をぎっしり詰め込んだ資料を作ってしまう方もいます。

 このような資料は、せっかくの機会を無駄にしたくないという真剣な気持ちの表れでもあります。

 しかし、時間いっぱいに早口でようやく話しきるようなボリュームの情報を詰め込んでしまうと、聞き手にはかえって伝わりづらくなります。

「矢継ぎ早にいろいろ話されたけど、結局、何を言いたかったんだろう……」と思われてしまい、プレゼンが残念な結果に終わることも多いのです。

プレゼン時間には1/3の余白を作っておく

 対話するプレゼンでは「プレゼン時間に1/3の余白を作っておく」が鉄則です。たとえばプレゼンの持ち時間が30分であれば、1人で読み上げて20分で終わる内容にまとめます。

 残りの10分は、相手との対話や質疑応答、またはプレゼンの中の「間」を作る時間として使います。

 この余白があることで、プレゼン中に相手と充分に対話し、疑問や不明点をその場で解消することができるのです。

 資料は欲張らず、1/3の時間的な余白が出るように作る。その習慣をつけましょう。