そういう努力をやってみてから、離婚するかどうかを決めてもらっています。
愛情と経済メリット
どっちもダメなら離婚
相談者に下のような「マトリックス」を書いてもらうこともよくあります。

横軸に「相手に愛情が残っている/残っていない」、縦軸に「離婚したほうが経済的に損/得」を配置し、自分の考えはどこにあるかを図で明確にしてもらうのです。
「愛情が残っていない」かつ「経済的に得」な場合だけ、離婚をおすすめしています。
離婚相談に来たものの、できれば離婚したくないという人も多いです。口では大嫌いだ、離婚したいと言っていても、どこかに未練が残っていたりします。
そんなふうに離婚するべきかどうか迷っている人には、次の「究極のシミュレーション」をやってもらっています。
目の前で夫/妻が事故に遭い、瀕死の状態だとします。あなたはどう感じますか?
「ざまあみろ」と思って、会心の笑みを浮かべますか?
それとも、夫/妻のことを大事に思って、泣いてしまうでしょうか?
どんな回答でも、絶対に批判しないので、正直に話してください。
この質問に「会心の笑みを浮かべる」と回答する人は、もはや憎しみしか感情にないので、離婚したほうがいいでしょう。
「究極のシミュレーション」の結果
ブレない気持ちで離婚調停を進めた
この「究極のシミュレーション」は、何を隠そう、私自身が離婚したときに試してみたものです。
私自身も離婚の前に1年間ほど関係改善の努力をしてみました。ただ、元夫の態度は変わりませんでした。
そんなある日、この「究極のシミュレーション」をやってみたのです。さすがに笑うことはできませんでしたが、「もしこの人が目の前で死んだら、生命保険が下りるし、タダで家が手に入る。いいことずくめじゃないか」と思いました。そのくらい相手との関係の悪化に精神的に追い詰められていたのです。
こうして決心が固まったので、以降、離婚まで気持ちがブレずに進めることができました。いまでも後悔はまったくありません。
元夫に対しては、感謝すら覚えています。あのときウンとひどい条件をつきつけてくれたおかげで、私は「離婚カウンセラー」という天職につけたのですから。
調停で決まった、経済的な条件は私にとってかなり不利なものでした。慰謝料はゼロ、養育費は子どもが18歳になるまで。財産分与もゼロという内容でしたので。