「離婚すべきか」が一発でわかる、自分への「たった1つの質問」とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

日本の離婚率は年々上昇しており、今や3組に1組のカップルが別れる時代。著者の運営する離婚相談所にも多くの相談が寄せられるが、本当は別れない方がいいケースもあるのだという。約4万件のトラブルを解決してきた離婚カウンセラーが実践的ノウハウを伝授する。本稿は、岡野あつこ『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?夫婦関係を改善する「伝え方」教室』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。

離婚するかどうかは
「損得」で考えるべし

 もし家に古いテーブルがあったら、どうすればいいでしょうか。

 思い入れのあるテーブルなら、古くなってボロボロでも、しばらく取っておこうと思うでしょう。ただそのテーブルに何の思い入れもなければ、いますぐ粗大ゴミ行きにすべきです。

 夫婦関係も同じです。愛情もないのに、経済的に損な関係を続ける必要はありません。

 逆に、「愛情」か「経済的なメリット」のいずれかが残っていれば、夫婦を継続したほうがいいのです。

 夫婦には経済的な関係という側面もあるため、いまの関係が経済的に損なのか、得なのか、しっかり考えて判断する必要があります。

 私の運営する離婚相談所では、最初から「別れなさい」と助言することはまずありません。

「立つ鳥跡を濁さず」ということわざを使うのですが、一度好きになって一緒に生活したわけですから、別れ際が汚いと、「あんな男と結婚していたなんて、自分の人生はいったい何だったんだろう」などとマイナス思考に陥り、落ち込んでしまいます。

 また、深く考えずに離婚して経済的に困窮したり、相手の真意を見誤っていたことに気づいてしまうと、「離婚しないほうがよかった」と、自分の選択を後悔してしまうこともあります。

 そうならないように、別れる前に一度、夫婦関係の改善をがんばってみることをおすすめしています。

どうして離婚したいのか
理由と原因を熟考せよ

 自分にとってこの2人の関係がどのような意味を持っていたのか、なぜ結婚していたのか、どうして離婚したいのかをじっくり考えて理由を整理しつつ、何が原因で夫婦関係が悪化したのかを深掘りしてよく考えてみるのです。

 その過程で、それまで気づかなかったパートナーの本当の気持ちに気づき、夫婦関係をやり直すケースもあります。

 また逆に、パートナーの一向に変わらない言動を冷静に俯瞰してみると、「私は一生懸命に愛・お金を与えてきた。でも、この人には何も伝わっていなかった」と気づき、「自分を大切にするために別れるべき」と決心できることもあります。

 このようにじっくり考えて決心したなら、離婚後に後悔することはないでしょう。

 関係改善の努力が功を奏して、パートナーが態度を改めてくれることがあります。

 これまで挨拶しても返事がなかったのに、「おはよう」と挨拶してくれるようになったり、口ゲンカが減ったり、会話がおだやかになったり、目に見えて関係が改善することもあるのです。