ITバブル崩壊がAIブームについて教えてくれることILLUSTRATION: EMIL LENDOF/WSJ, ISTOCK, GETTY

 25年前の今週、米株式市場でナスダック総合指数はドットコムバブル期のピークを記録した。それまでの5年間で500%を超える急騰を遂げていた。その後のバブル崩壊は急激かつ残酷だった。

 インターネットという有望で新たなテクノロジーに魅了された小口投資家は莫大(ばくだい)な損失を被った。景気は落ち込んだ。急成長していたペッツ・ドット・コム(Pets.com)、ザグローブ・ドットコム(TheGlobe.com)、ウェブバン(Webvan)といった企業が経営破綻した。

 そして今、一部の投資家は人工知能(AI)に関して同じサイクルが繰り返されるのではないかと懸念している。もしそうだとしても――これは大きな「もし」だが――ドットコムバブル崩壊から投資家が学べる重要な教訓がある。つまり、インターネットに関する当初の熱狂は結局のところ正しかったのだ。

 ドットコムブームとの連想で恐れを抱くのも無理はない。AI関連の主要企業は市場で数百億ドルから数千億ドル規模の評価を受けており、その中にはしっかりとした売り上げを生み出す見込みがほとんどない企業もある。投資家は、こうした企業が新たな巨大データセンター向けにさらに大規模なAIチップのクラスターを構築できるよう、競うように資金を供給し、株価を押し上げている。

 ただ、ITブームとその崩壊は、野心的な技術への大規模な賭けが長期的には報われる可能性があることを示した。世界の上場企業で時価総額上位5社(そして上位7社のうち6社)は、当時から続くテクノロジー企業か、当時まかれたタネから成長した企業だ。