東大生の親に共通する1つの特徴
ちなみに、東大の入学式で地方の親御さんにインタビューをすると「私は高卒なのでよくわからないんですけど、本人が東大を目指すと突然言い出して、応援だけはしていました……」という人がそれなりにいます。あまりわからないながらも、子どもの意見を大切にしていてすばらしいと思います。
僕はこれまで数千人の学生やその保護者を見てきました。いつも思うのは「親を見れば子がわかるし、子を見れば親がわかる」ということです。
勉強や進路についてとやかく言わないタイプの親のほうが、東大生の親には圧倒的に多いです。東大生の親は「子どもの自主性」を尊重します。勉強やスポーツだけではなく、興味があることにはなんでもチャレンジさせて子どもの好奇心を大切にします。
そうやっていろいろなことにチャレンジさせる一方で、子どもがやりたくないことを強制しません。そういった環境だからこそ、「自分が興味がある、やりたいからやる」と、子ども自身が勉強に対しても主体性を持てるのでしょう。
もちろん、多くの親御さんが子どもにいろいろと口を出してしまうのは心配であるがゆえのことであり、悪いことでは決してありません。ただ、もしなにか口に出したくなったときは一度立ち止まって子どもの話を聞いてみるのもひとつの手です。
子どもも親が自分の足を引っ張りたいわけではないことを十分理解しています。そのことさえ理解できれば、お互いを尊重しつついい進路選択ができるのではないでしょうか。
大学受験は子ども自身が「自分で決めて、自分で努力をする」訓練の場でもあります。これまでは自分の住んでいる地域でしか生きてこなかった子どもたちが全国規模で、自分の未来を考えられるまたとない機会です。そう考えてみると少しだけ視野も広がるかもしれません。
ぜひ前向きに、そしてそれぞれに合った道を模索していただければと思います。