「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

「小数のかけ算」一瞬でできますか?
皆さんはこのような計算、いつもどのように対処していますか? 計算するのも面倒ですよね。スマホ・電卓を使ってしまう人は多いと思います。
ここですぐに「スマホを使ってしまえばいいじゃん!」と思う方もいるかもしれませんが、それではいつまでもスマホに依存することになってしまいます。これでは残念ながら、「数字に弱い人」のままです。
今回は、「数字に強い人」がどう考えているのか、を考えていきましょう。
数字に強い人は、まず“意味”を考える
数字に強い人は、そもそもこの計算を見た時に、いきなり計算を始めようとはしません。いきなり計算を始めてしまうと、難しい計算で頭を使い、疲れてしまうからです。
数字に強い人は、次のように分解して考えます。
2.その後、ケタを揃える
先に、「25%」を掛ける、とはどういう意味か、について考えてみましょう。
です。次の図のように考えるとわかりやすいですね。

つまり、「×25%」は、「÷4」と同じ意味。「25%」は、「4」とパートナー・唯一無二のともだちの関係にあるわけです。

「25%」「4」のともだち番号をうまく使う
ここで先ほどの式を見てみましょう。
25%の「ともだち番号」は4でしたね。ここから考えてみましょう。
1.まず、「25%で割る」の意味を考えて、ケタを無視して計算する
まずはケタを無視して、「×0.025」→「÷4」にしてしまいましょう。
2.その後、ケタを揃える
次に、ケタについて考えます。0.025は「2%ちょい」ですね(2%=0.02です)。
今回求める答えは、28の2%ちょいですから、先にケタだけ動かせば「0.28の2倍くらい?」という見積もりが立ちます。
もしくは逆にして、「2%の30個くらい?」という予想もできます。いずれにしても、だいたい60%ですね。
先ほど、頭の数は7だとわかりましたから、ケタを揃えましょう。もうわかりましたね。よって、答えは0.7(70%)です。
数字に強い人は、計算する前に「一歩立ち止まる」
このように、数字に強い人は面倒な計算は極力省きます。また、計算が面倒になりそうになったら、できるだけカンタンな計算になるように数字をほどよく調整してしまうのです。
数字に強い人はこういった柔軟な考え方をすることができる人です。逆に言えば、「数字に弱い人」は目の前にある面倒な数字に何の工夫もせずにそのまま立ち向かって撃沈してしまいがちです。
数字を扱う前に、まず一歩立ち止まることを心がけてみるとよいでしょう。
(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』の一部に加筆・調整・編集した原稿です)