海上交通の世界的要衝であるパナマ運河を巡り、香港企業が運河の両端にある港湾の権益を米企業主導の企業連合に売却する計画を示したことに、中国の習近平国家主席が怒りをあらわにしている。香港の富豪、李嘉誠氏(96)率いる長江和記実業(CKハチソン・ホールディングス)が前もって中国政府の承認を求めなかったことなどが理由だ。複数の関係者が明らかにした。関係者によると、習指導部はパナマ運河の港湾を米トランプ政権との交渉の切り札にするはずだったが、その筋書きが台無しになった。ドナルド・トランプ大統領は就任早々に、パナマ運河の管理権を取り返すと主張。CKハチソンが合意した取引を、米国の「裏庭」での中国の利権に対する勝利だとたたえた。パナマは一躍、国際的影響力を巡る米中競争の象徴になった。
習氏、パナマ運河の権益売却に「怒り」
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