「大学受験」は10代における最大のイベントです。残念な側面でもありますが、いい大学にいけば、なりたい職業になれる確率は上がり、将来の選択肢は増えるのが現在の日本です。それほどまでに大学受験の持つインパクトは大きくなっています。そんな難しい時代でも「自分らしい大学進学」をするために書籍:『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』が発売されました。本書は、きれいごとを抜きにして、「大学受験とはどういうものなのか」「人生とはどういうものなのか」を考えることができる受験の決定版です。本記事では発刊を記念して本文の一部を抜粋・再編集してお届けします。

「大学名」で選ぶか「学部」で選ぶか
受験生である皆さんはどうやって志望する学部を選んでいますか?
どんな選び方でも皆さんの価値観にあっていれば構いませんが、「学部」で就職が不利になることはほぼないので安心してください。逆を言えば、一部の職種を除いて学部で就職が有利になることもほぼありません。
文系の場合は、「法学部」「経済学部」「経営学部」あたりが就職に有利とされ、逆に「文学部」や「教育学部」などは不利と考えられています。
理系は文系よりは全体的にマシですが「工学部系」が就職に有利で、「農学部」や「理工学部(特に数学科)」などは不利と言われています。
これを信じている親御さんも多く、「うちの子どもは就職のことを考えて、法学部に進学させようと思います」というケースを何千件と見てきました。
もう一度言いますが、どの学部かは就職に大きな影響を与えないので、進学したい大学にはなんとしても滑り込みましょう。誤解を恐れずにいえば、学部の優先順位は2番目でいいです。
「いやいや、学部は大事でしょ!」と思ったそこのあなた。いい視点です。たしかに学部は大事です。好きなことを勉強できたほうがいいですし、偏差値の高い学部のほうが地位も高いような気がしますよね。
ただ、就職においては、学部で優劣が決まるのは本当に最終局面で競ったときだけです。しかも、そんな局面はほぼありません。
そもそもですが、経営学部出身だからといって、有名企業でいきなり活躍できると思いますか?
経営学はあくまで学問であって、現場で使えるかはまた別の話ですし、そもそも社会で働いたこともない大学生が、いきなり「経営の専門家」として活躍できるわけないですよね。このことは、ちゃんとした大人は誰もが理解しています。