「大学受験」は10代における最大のイベントです。残念な側面でもありますが、いい大学にいけば、なりたい職業になれる確率は上がり、将来の選択肢は増えるのが現在の日本です。それほどまでに大学受験の持つインパクトは大きくなっています。そんな難しい時代でも「自分らしい大学進学」をするために書籍:『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』が発売されました。本書は、きれいごとを抜きにして、「大学受験とはどういうものなのか」「人生とはどういうものなのか」を考えることができる受験の決定版です。本記事では発刊を記念して本文の一部を抜粋・再編集してお届けします。

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名門大学の看板学部に入学した人が陥りがちな罠

 少し大学生向けの話をします。

 高校生の皆さんは、自分が大学生になったつもりで読み進めてください。大学生の皆さんは、自分のことと照らし合わせながら読み進めていただけるとうれしいです。

 学部の話に絡めて言うと、大学の看板学部に入った人が陥る罠があります。それは「自分は特別だ」と思ってしまうことです。

 たとえば、早稲田の政治経済や国際教養、慶應の経済や法、明治の政経や国際日本などはその筆頭でしょう。

 いや、すごいのは間違いありません。僕は受けることすらできなかったレベルですし、いわゆる私立文系の頂点ですから、合格したときには死ぬほど誇っていいです。というか誇ってください。

 ただ。大学にいる4年間、学部名が立派なだけで人は成長できるわけではありません。

 結局は4年間、どんなことに打ち込めるか、それでしか大学生である皆さんの価値は決まりません。部活でもバイトでも趣味でもなんでもいいですが、なにか1つ極めてください。ただ、極めると決めたからには必死にやってください。

 皆さんが4年間で極めたものは、どんなことであれ大人たちから評価されます。どんなことでもです。ただそれは、本当に極めたものだけです。

 こういったことを看板学部にいると忘れがちです。なぜなら、看板学部は学内でも一目置かれるため、お山の大将になりやすいからです。

 ですが、皆さんはまだ看板学部に入っただけです。まだそれだけです。その看板学部に学生は何人いますか? 1人や2人じゃないはずです。

 入学しただけならば、皆さんはまだ、「優秀なグループにいるその他大勢」です。そこから、なにかを極めて「オリジナルな自分」にならない限り評価はされません。ましてや、看板学部卒というのが世間で通用すると思わないでください。勘違いしてはいけません。

 大学受験という大変な努力をして得た「名門大学・看板学部生」という強みを生かすも殺すも皆さん次第です。