「大学受験」は10代における最大のイベントです。残念な側面でもありますが、いい大学にいけば、なりたい職業になれる確率は上がり、将来の選択肢は増えるのが現在の日本です。それほどまでに大学受験の持つインパクトは大きくなっています。そんな難しい時代でも「自分らしい大学進学」をするために書籍:『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』が発売されました。本書は、きれいごとを抜きにして、「大学受験とはどういうものなのか」「人生とはどういうものなのか」を考えることができる受験の決定版です。本記事では発刊を記念して本文の一部を抜粋・再編集してお届けします。

高校生Photo: Adobe Stock

「都会の私立大学」か「地元の国公立大学」か

 さて、早速ですが受験生の皆さんに聞きたいことがあります。

 皆さんの第一志望の大学はどこですか?

 ほとんどの人が心の中で第一志望の大学名を言ってくれたかと思います。答えを確認する術はありませんが、第一志望になるくらいですから、どれもいい大学でしょう。

 その第一志望ですが、ちゃんと皆さんの希望だけを反映した第一志望でしょうか。「もちろん!」と答えられる人は問題ありません。そのまま勉強を続けてください。

 一方で、「学校の先生やまわりの人に言われたから」という人は、一度立ち止まってみてもいいかもしれません。

 僕もかつて第一志望の大学を他人に決められそうになったことがありました。

 そのときの僕は茨城の公立高校に通っており、偏差値は37でした。当時、その高校は国公立大学への進学が絶対視される風潮があり、僕は「偏差値的にいける」というだけで、先生から北海道にある公立大学を強く薦められました。

 いきたい場所でもやりたい学問でもなく、ただ「進学できる国公立大学」というだけで、進路が決まりそうになってしまったのです。

 結局僕は、我を通して早稲田大学に進学しましたが、今でも当時の選択は大きなものであったと感じています。

 都会に住んでいる受験生にはイメージしづらいかもしれませんが、地方にはこういった価値観がいまだに残っています。要するに地元の国公立大学が絶対であり、「都会の私立? 早慶志望? お金もかかるのになんでわざわざ?」と一蹴されてしまうのです。

 仮に都会の私立を受けようとしても「先生はよくわからないから自分で対策してね。でも、地元の国公立大学だったら学校でたくさん対策するよ」と言われてしまうこともあります。

 こういった環境にいると心が折れてしまうこともあるかと思います。ですが、それでも第一志望を譲ってはいけません。