
部下の評価は、上司にとって重要な仕事の一つです。そして適切な評価を行うためには、適切な目標を立てることが欠かせません。(小宮コンサルタンツ代表 小宮一慶)
内部環境と外部環境を
想定して目標を立てる
年度末になると、上司は部下の評価を行います。評価の肝は、客観的な分析をすること。例えば、営業部門で予算が未達だったら、未達の原因を客観的に分析するということです。

小宮コンサルタンツ代表
ジャック・ウェルチが会長兼CEOだった時代の米ゼネラル・エレクトリック(GE)では、部門ごとに「ストレッチ予算」を組ませたといいます。
ストレッチ予算とは、かなり頑張れば達成できる背伸びをした予算ではなくて、内部環境と外部環境が完全だったときに達成が可能な予算のこと。ストレッチ予算における内部環境とは、「営業担当を30人雇い、営業所を2カ所に増やして、営業力を強化する」というような、自社の努力でコントロールできる環境のことです。予算を達成するための自社の努力を怠ったことが予算未達の原因だとしたら、それはリーダーの責任です。
外部環境を分かりやすい例で説明すると、ビール会社の場合は気温です。ビールは気温によって売り上げが大きく左右されます。冷夏が原因でビールが売れなかったのなら、リーダーの責任、担当者の責任を問うことはできません。その代わり、例年よりも気温が2~3度高かったことが原因で想定以上に売れた場合でも、評価の対象としません。