「頭の悪い人」にかぎって鵜呑みにしてしまう真実とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。数々の成功者に接し、自らの体験も体系化し、「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。
コロナ後の生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。
『ゆるストイック』では、新しい時代に突入しつつある今、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、「私自身が深掘りし、自分なりにスッキリ整理できたプロセスを、読者のみなさんに共有したいと思っています」と語っている。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

成功とは「環境が作り出す現象」の一種
「自分」とは、自分自身と環境が作り上げる共同作品です。
私たちは「成功」とは個人の努力によって勝ち取るものだと刷り込まれがちです。
しかし、その認識は正確ではありません。
むしろ、成功とは「環境が作り出す現象」と捉えるほうが自然なのです。
成功を雷や台風、地震などの自然現象に近いものとして理解したほうが、本質を捉えていると言えるでしょう。
さまざまな要因が絡み合って発生する「偶然の現象」として捉えることで、成功の見方が変わってきます。
成功には複数の条件が関わっています。
たとえば、タイミング、チーム、時代、場所……。
それらのうち一つでも異なると、結果も異なってしまうでしょう。
同じ結果を再現することは、ほとんど不可能です。
さまざまな条件がそろって初めて「成功という現象」が起こるだけです。
オーケストラの指揮者のようなもの
本心ではストイックに日々を過ごしたい。
けれど、私たちはノイズに苦しめられます。
「環境が生み出す成功という現象」を、あたかも「個人の能力を示す成果物」であるかのように扱う。
そんな社会の風潮がノイズとなり、時に人々を苦しめるのです。
成功を個人の手柄や才能の証とする考え方が広がることで、実際には環境の影響で生じた成果が、個人のプレッシャーに変わってしまいます。
どんな成功にも、「たまたまの部分」が含まれます。
そうであるなら、成功を「自然現象」として捉えてみましょう。
すると、私たちは個人への過剰な責任感から少し解放され、より現実的な視点で物事を見られるようになるのではないでしょうか。
そう考えることで、「ゆるストイック」の姿勢が得られるのです。
オーケストラでは、中央に立つ「指揮者」が目立ちます。
では、指揮者がすべての成功要因なのでしょうか。
おそらくそうではありません。
最後列の演奏者も含め、誰一人として欠けては成立しない共同作業です。
それぞれの演奏者が自分の役割を全うすることで、オーケストラ全体の音楽が形作られているのです。
その事実を正しく認識しましょう。
世の中を見渡すと、成功は「特定の個人」に結びつけて語られることが多いのに気づくでしょう。
書籍やテレビ、雑誌では、成功が取り上げられる際に、誰か一人にスポットライトを当てなければなりません。
先ほどの例でいうと、「指揮者がいちばん偉く描かれてしまう」のです。
頭の悪い人は、それを鵜呑みにしてしまうかもしれません。
しかし、そうやって描かれるものは、真実ではないのです。
できるだけ世の中を正しく捉え、「成功」の解像度を上げましょう。
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)を上梓した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。