何をやっても「うまくいく人」が考えている、たった1つの考え方とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。数々の成功者に接し、自らの体験も体系化し、「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。
コロナ後の生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。
『ゆるストイック』では、新しい時代に突入しつつある今、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、「私自身が深掘りし、自分なりにスッキリ整理できたプロセスを、読者のみなさんに共有したいと思っています」と語っている。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「願望」と「現実」を混同しない
「願望」と「現実」。
私たちはつい、「世の中がこうあってほしい」という願望と、「世の中がどう動いているか」という現実を混同しがちです。
けれども、この2つはまったく別物です。
願望と現実を明確に切り分けることが、目標達成において大切なポイントになります。
たとえば、あるミュージシャンが自分の音楽美学を大切にし、それを貫きたいと考えていたとしましょう。
しかし、その音楽が世間に受け入れられなかった場合、「どうして自分の音楽が理解されないんだろう」と落胆したり、「あの売れているミュージシャンは魂を売った」と他人を嘲笑したりしてしまうかもしれません。
これは、「自分の音楽が受け入れられる世の中であってほしい」という願望と、「どんな曲がヒットしやすいか」という事実を混同している典型例です。
たしかに、自分の美学を貫きたいという思いは尊重されるべきです。
しかし、それと「どんな曲がヒットしやすいか」という現実的な傾向は、必ずしも一致しません。
「美学」と「成果」を分ける
この2つを無理に結びつけているのは、「自分自身」にほかなりません。
世界がどうあってほしいかと、世界がどのように動いているかは、本来は関係がありません。
美学を貫きながらも、ヒットを狙う行為を否定せず、両方のアプローチを視野に入れることもできます。
あるいは、自分の美学を意識しつつも、多くの人に受け入れられやすい要素を取り入れて曲作りをすることもできます。

「美学」と「成果」。
2つが対立していて、どちらか一方に絞らなければならないと考えてしまうのは、願望と現実の境界が曖昧になってしまっているからです。
自分の願望と、現実の仕組みを客観的に理解することで、自分が納得できるバランスの取れたアプローチが見えてきます。
私の提唱する「ゆるストイック」を実践する上でも、「願望」と「現実」を混同しない姿勢を押さえておきましょう。
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)を上梓した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。