困難や逆境に遭遇した際、「すぐに悩む人」がいる一方で、同じ状況でも「絶対に悩まない人」がいます。そして、何かと生きづらさのある現代社会では、「悩みやすい不幸体質」を卒業することは重要な生存戦略です。
そのための考え方を教えてくれるのが、書籍『不自由から学べること ―思いどおりにいかない人生がスッとラクになる33の考え方』です。12歳からの6年間を「修道院」で過ごした著者が、あらゆることが禁止された暮らしで身につけた「しんどい現実に悩まなくなる33の考え方」を紹介。悲観でも楽観でもない、現実に対するまったく新しい視点に、「現実の見方が変わり、モヤモヤがスッと晴れた」といった声が多数寄せられています。この記事では本書より一部を抜粋・編集し、「迷惑な人との向き合い方」を紹介します。

「隣人を愛する」の本当の意味
聖書に、次の言葉があります。
これが最も重要な第一の掟である。
第二も、これと同じように重要である。『隣人を自分のように愛しなさい。』
有名な「隣人を愛せ」の話です。
私は幼い頃、この節は「隣の人に最大限優しくしなさい」という教えだと思っていました。
けれども今では、「他人を変えようとせず、ありのまま受け入れなさい」という意味ではないかと感じています。
「変えようとする」から、苦しくなる
他者は、「変えることのできない存在」です。
無理に変えようとすると、かえって関係がこじれるものです。
「そうですか」と受け流しながら、善悪を判断せず、他者を他者として受け入れることが大切です。
良い悪いなどと批判するから、相手も自分も苦しくなるのです。自分を傷つけてきた相手に対して、何も言わず、相手の幸せを願うようにしてみてください。
他者もまた、あなたを「変える」ことはできない
そして同時に、あなた自身もまた、他者から見ると「変えられない存在」であることを忘れてはいけません。他人にコントロールされる必要はないのです。
あなたの人生は、誰にも侵されることのない聖域です。「自分の人生を左右する権利」を誰かに渡してはいけません。
あなたは他者を変えられません。
ですが他者も、あなたを変えられないのです。
変えることができるのは、自分の人生と思考だけです。
この他者受容と自己受容こそが、「自分を愛するように他人を愛する」ことの本質ではないかと思っています。
(本稿は、書籍『不自由から学べること ―思いどおりにいかない人生がスッとラクになる33の考え方』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です。書籍では他にも、「悩みが消える考え方」を多数紹介しています。)