米アマゾン・ドット・コムの自動運転車事業、ズークス(Zoox)のアイシャ・エバンス最高経営責任者(CEO)が考えているのは、ドライバーレス車両の開発における退屈な部分だ。エバンス氏と筆者は、ズークスの自動運転車でサンフランシスコの街を走行しながら、年内にロボタクシー(自動運転タクシー)サービスを開始するために必要なバックエンド(後方支援)のプロセスについて話した。エバンス氏はズークスの事業拡大戦略について、極小規模・小規模・中規模・大規模の段階に分け、「今はまだ基盤を整備し、表明したこと全て確実に実行しているところだ」と説明した。彼女のアプローチは細部にこだわることに根ざしている。「素早く動いて物事を破壊する」というシリコンバレーの信条とは相反する考え方で、ロボタクシーを機能させるには実行が鍵となるという事実から生まれた。ただ実際には「細部」といっても決して小さな作業ではなく、安全手順、メンテナンス、充電インフラといったものだ。