どんな成功も「シンプルな要素」に分解することができる、最強の図とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。数々の成功者に接し、自らの体験も体系化し、「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。
コロナ後の生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。
『ゆるストイック』では、新しい時代に突入しつつある今、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、「私自身が深掘りし、自分なりにスッキリ整理できたプロセスを、読者のみなさんに共有したいと思っています」と語っている。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

成功は「2つ」の掛け算で起こる

 人は神ではありません。
 それなのに、その人物に焦点を当てた情報が広まっていくにつれ、その人が神格化され、カリスマ的な存在として扱われるようになります。

 そうなると、「タイミング」や「チーム」といった他の重要な要素は、まるでなかったかのように見過ごされてしまいます

 このようにして、成功を「環境が生み出す現象」ではなく、「個人の成果物」として捉える価値観が強化されてしまうのです。

「成功には運の要素が大きい」のです。「才能」や「努力」との関係についても掘り下げて考える必要があります。

「成功には運も才能も努力も必要」と言うのは、まるで「ラーメンには麺もスープもメンマも必要」と言うようなもので、ほとんど意味をなしていません。

「ゆるストイック」を実践するためには、「成功に至るプロセス」の解像度を高める必要があります。
 本当に知るべきなのは、「手順」なのです。

・どんな「要素」で成り立っているのか
・どこまでが「才能」で、どこまでが「努力」なのか
・どこからが「運」の領域なのか

 それらを分けて考える必要があります。
 どんなに大きな成功も、実はシンプルな「要素」に分解することができます
 成功に至るまでの手順には多くの共通点があるのです。

 私自身も、複数の仮説を同時に試し、成功したものと失敗したものの要因を分析してみたり、世の中の事例を可能な限り幅広く調べてきました。

 その結果、「途方もないように見える成功」は、次の図のように、2つの要素の掛け算で発生する現象であることがわかりました。

どんな成功も「シンプルな要素」に分解することができる、最強の図とは?

・「独自性(ユニークネス)」
・「タダ乗り(フリーライド)」

 その2つの要素の掛け合わせで発生する現象だと捉えると、納得がいくでしょう。

「独自性」では、個人やチームの努力や才能が重要な役割を果たしますが、「タダ乗り」では、個人のコントロールを超えた純粋な「運」の領域に移行します。

 そして、成果の大半は、「タダ乗り」のステージで発生しているため、成功には「運」の要素が強いとされることにも特に矛盾しません。

 ざっくり言えば、規格外の成功は次のような手順で発生しています。

1 故意に「独自性」が発生する(ユニークネス)
2 環境に「タダ乗り」することで急拡大する(フリーライド)

 このプロセスにおいて、独自性には「才能と努力」が、タダ乗りには「運」が重要な要素となります。

 それぞれの要素については、本連載で掘り下げていきましょう。

佐藤航陽(さとう・かつあき)
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)を上梓した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。