「書く」より「喋る」は7倍速い!

 続いて「喋る」という情報処理のスピードを調べるために、音読してもらったところ、平均3950文字というデータが得られました。

 公平を期すため、すでに書いた部分を除いて音読してもらいました。つまり、「書く」に比べると、「喋る」は7倍以上のスピードでできたのです。

「読む」は「書く」の19倍のスピード!

 最後に「読む(黙読)」はどうだったのでしょうか。結果は、10分間で平均1万500文字でした。

 こちらも書いたり、音読したりした部分は除いて黙読してもらいました。被験者の東大生たちは、速読術などの特別なスキルを身につけていたわけではありません。それでも「書く」の19倍の速さで「読む」ができたのです。

 これが記憶するうえで「読む」が優れている理由です。

小学生でも証明された「読む」の力

「それは優秀な東大生だからでしょう」と思わないでください。

「ヨミサマ。」を受講している小学5~6年生十数人でも同じ実験をしてみたところ、やはり「読む」は「書く」の5倍から15倍のスピードでできたのです。

「読む」にはトレーニング効果もある!

「読む」は「書く」に比べて速いだけでなく、もう1つメリットがあります。

 東大生と小学生の実験を比べて興味深かったのは、「書く」スピードには大きな差が見られなかったのに対して、「読む」スピードには格差があったこと。

 さらに「読む」スピードは反復によるトレーニング効果があり、“伸び代”があることがわかったのです。

読む力は、確実に伸ばせる

 東大生が10分間で書けたのは平均550文字でしたが、小学生でも400~450文字くらいは書けていました。

 一方、「読む」に関しては、小学生の10分間の平均は5000文字前後で東大生の半分以下でしたが、「読む」勉強を多くこなしているうちに、そのスピードは段階的に上がり、最終的には10分間で平均7500文字ほどまでになったのです。

※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。