
東京証券取引所スタンダード上場のクシムの伊藤大介社長ら取締役が会社に著しい不利益を与えたとして、第三者の仮取締役選任を申し立てた決定が4月1日、東京地裁であった。地裁は申立人の主張を認めて仮取締役を選任、伊藤社長ら取締役6人が事実上の“クビ”となる前代未聞の異常事態が発生した。(ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)
取締役6人が“クビ”の異常事態
裁判所が不正行為を認定
申立人の取締役は、田原弘貴氏。クシムが22年に連結子会社化したブロックチェーン関連開発会社チューリンガムの創業メンバーで、23年1月、クシム取締役に就任した。
1月22日配信のダイヤモンド・オンライン記事『【独自】東証スタンダード企業の現役取締役が、自社に異例の株主提案!「上場企業を実質支配する黒幕」を大暴露』で報じた通り、田原氏は自分以外の取締役全員が、株主でもないシークエッジグループの影響下にあり、株主を無視した経営が行われているとして、昨年11月に新たな取締役選任を求める株主提案に踏み切った。
これに対しクシムは田原氏の取締役辞任を勧告し、今年1月中に開催予定だった定時株主総会を延期。田原氏は2月12日付で、「仮取締役兼仮代表取締役選任申立書」を東京地裁に提出していた。
田原氏以外の取締役は、代表取締役社長の伊藤大介氏、代表取締役会長の中川博貴氏、松崎祐之氏、監査等委員の望月真克氏、中庭毅人氏、小川英寿氏。このうち任期が残っている小川氏を除く取締役6人が、4月1日の地裁の決定を受けて即日退任し、取締役兼代表取締役の職務を一時行う者として大月雅博弁護士、監査等委員である取締役の職務を一時行う者として原田崇史弁護士と須崎利泰弁護士が選任された。
この決定について「裁判所が取締役の不正行為を認定し、取締役全員を退任させたことは上場企業では前例がない」と、申立人代理人の中田吉昭弁護士は言う。一体なぜ、前代未聞の”解任劇”が起きたのか。次ページで明らかにする。