スタートアップ起業の成功者は中高年が多い
起業家・エンジェル投資家として活躍し、YouTube出演も多い『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険』(ダイヤモンド社)の著者・成田修造氏は、パチンコ、麻雀、女、酒、タバコを欠かさず、ほぼニート状態の父親、それに母親が共依存するという複雑な家庭環境に育った。14歳のとき、父親が自己破産して失踪。貧しい生活を支えた母親は病に倒れ、半身不随に。苦境のなか、独学で大学に合格、奨学金を得た。そして、兄・成田悠輔がくれた本をきっかけに「起業」を志し、体当たりで起業家の道を歩むようになる。本書は人生の指南書であるとともに、何歳からでも組織に頼らず、副業・独立・起業でビジネスを展開するときには必須の心得を説く。これからは会社員であっても、自分で事業をつくれると強い。その思考法とノウハウを全公開する。
※本稿は、『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

若者だけでなく、中高年にも起業のチャンスがある
僕は、特に若い人には、スタートアップへの就職や起業をおすすめしたいのですが、だからといって年齢を重ねた人が起業すべきではないなどと考えているわけではありません。むしろ逆です。
驚きのデータ――成功企業の創業者の平均年齢は45歳
シリコンバレーの投資家が、トップ0.1%の成長率を実現した成功企業について、創業者の創業時年齢を調査したデータがあります。
それによると、創業社長の創業時平均年齢は45歳。40~59歳の創業者が、最も成長企業をつくり出しているという意外な結果が出てきました。

ザッカーバーグやゲイツは「例外中の例外」
スタートアップ起業というと、フェイスブック(現・メタ)のマーク・ザッカーバーグやマイクロソフトのビル・ゲイツのような、10代や20代前半で創業した若い学生起業家をイメージしがちですが、起業大国の米国においても、これは「外れ値」です。
ザッカーバーグやゲイツは極めて例外的なケースで、実は中高年起業のほうが成功する確率は高いのです。
経験・人脈・資金力は若者にない武器
これは考えてみれば当然です。業界での知見やネットワークもあり、資金調達能力も高く、ビジネススキルや経験も豊富な状態からスタートしたほうが、何もわからない若者よりも成功する確率は上がるに決まっています。
体力面では若い人より不利かもしれませんが、それを補ってあまりある経験というものが存分に活かされるのです。
日本の成功起業家にも中高年が多い
日本でもスタートアップの創業者の創業時年齢を見ると、若い成功者もたくさんいますが、メルカリの山田進太郎さんは35歳、クラウドワークスの吉田浩一郎さんが37歳、マネーフォワードの辻庸介さんが37歳と、ある程度の年齢になってから起業しているケースも多いです。
人生の主導権は「自分軸」で決める
「起業は若い人がするもの」「早くに成功しないと間に合わない」といった考えは幻想です。中高年世代も十分にチャンスがある。むしろ、そのほうが成功確率は高いのです。
誰から言われたとか、周りがどうとか、そういうことに左右されずに、目標を自分の中で決めて一歩を踏み出す。そういう自分軸で生きることが、どんな年齢になっても、いい人生を送るうえで大切です。
状況を見極めて、無理のない挑戦を
ただし、自分が置かれている状況を冷静に見定めることも大事ではあります。子育てや介護、住宅ローンなどを抱えて、大きなリスクを背負えないという状況もあるでしょう。
個々の状況に合わせて、適切な挑戦のタイミングや方法を探ることも重要です。
焦らなくていい、経験は必ず活きる
いずれにしても、焦る必要はありません。僕の周りにも、子育てがひと段落してから起業した人や、会社員として社会人経験を積んでから起業した人はいます。
そうした経験も起業するときには活きるものです。
人生経験が、ビジネスのタネになる
子育てを経験したから浮かんだアイデアを商品化する。子育て中に培った人的ネットワークを使ってビジネスにする。
シニアにはシニアだからこそできるビジネスチャンスに目を向けることが、成功への近道です。
※本稿は、『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。