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アリはフェロモンで意思疎通していると言われてきたが、近年の研究で、アリは“音”でも仲間と会話していることがわかった。13年にわたりアリの音を解析してきた地球環境科学者の筆者は、「アリ語の翻訳」ができるようになったと明かす。私たちがアリと話せる日は、もう遠くないのかもしれない。※本稿は、岡山理科大学理学部動物学科教授の村上貴弘『アリ先生、おしゃべりなアリの世界をのぞく』(扶桑社)の一部を抜粋・編集したものです。
シチュエーションによって
アリは声色を使い分けている
僕は2012年から、「キノコアリの音響コミュニケーション」についての研究を続けている。
アリはしゃべる。
ハキリアリはとくにおしゃべりだ。
柔らかなマメ科の植物を切っているときは、「ドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥル……」とリズミカルな音を出す。「この葉っぱはいいぞ!みんな集まれ!!」と呼びかけているように聞こえる。
同じ葉っぱを切るのでもオウムバナ科の花は、マメ科ほど好物ではないので「トルルルルルル」とやや軽め。「まずまずの葉だ。余力があれば集まって」という感じ。
あまり好きではないオトリギソウ科の葉のときには、「キュキュキュキョキョキュ」と明らかに違う音を出す。「これはそこまで集まんなくてもいいか」「この葉っぱ、硬くてイマイチ」といった情報を伝えているようだ。
そのほか、幼虫をお世話するときには「ギュンギュン」。ピンセットでつままれたり、穴に埋まったりしたときには「キキキキキキキキキ」。「やめろ!」「助けて!」といったシグナルを発し、仲間に危険を伝え、己の身の安全確保をしていると考えられる。







