この道に入って20年、わたしは毎日毎日、人の骨をてきました。
インディアンは大地から多くのことを学ぶといいますが、わたしは骨からたくさんのことを学ばせていただきました。その学びのなかで、わたしが自信をもっていえること。それは……
「からだは、どこまでいっても、自分の味方だ」
ということ。ときには、腰痛や肩こりなどで、苦しい思いをさせることもあります。でも、ただやみくもに本人を苦しめるだけの目的でそんなことはしません。よく診ると、その人の命や、才能を守るための究極の選択だったりするのです。
仕事で疲れすぎていた
30代女性のYさんのケース
30代の女性Yさんは数日前から目の疲れを感じ、その後ギックリ腰になってしまいました。頼まれごとを断るのがとても苦手で、仕事を抱えこみすぎて疲れきっていたようです。そんな彼女のケースをご紹介しましょう。
ある日、ラストの患者さんの施術を終え、あとかたづけをしていると、1本の電話が鳴りました。
「すみません……。朝、腰をグキッとやってしまい、痛みがひどいのですが、今日やっていただけますか?」
その声の様子からかなりの痛みだと察することができたので、すぐにクリニックに来ていただきました。
さっそく腰椎を診ると、とくに大きなゆがみはなく、椎間板ヘルニアなどを起こしている様子もありません。いくつかの検査の結果、過労型のギックリ腰と判明しました。