米中関係の緊張が高まる中、中国人留学生と米国の大学との長年の蜜月関係に亀裂が生じている。中国人の留学生は多くの場合で全額授業料を支払うため、米国の大学にとって重要な収入源となってきた。だが米政府はすでに留学中の多くの中国人学生のビザを取り消しているほか、中国政府は9日、米国へ留学する場合は警戒するよう呼びかけた。米国が中国製品に新たな関税を課したことを受け、中国の教育省は米国への留学を検討している中国人学生に対し、リスクを十分に評価するよう助言。中国政府は2019年、第1次トランプ政権下での米中貿易戦争の最中にも同様の勧告を出していた。米国の留学生4人に1人は中国出身で、米国の中国に対するサービス収支は長年にわたり大幅な黒字を計上してきた。その一因は中国の世帯が数十億ドルを米国での教育に費やしていることがある。米経済分析局(BEA)の最新データによれば、金融サービスなども含むサービス黒字は2023年の270億ドル(約3兆9800億円)から24年には320億ドル近くに拡大した。