ドナルド・トランプ米大統領は国家安全保障の問題として、米国の商船隊を速やかに復活させたいと考えている。しかし、米国にはそれを実現するだけの十分な船員がいない。戦時に米国産の車や燃料、食料を運搬するために招集できる商船隊は現在、200隻に満たない車両運搬船や石油タンカー、コンテナ船から成るが、トランプ氏はこれを迅速に拡大することを望んでいる。商船員の不足は、そうした同氏の野心的な計画にとって最大の障害の一つだ。ショーン・ダフィー米運輸長官は「米船籍の船を増やしたいと思うなら、もっと船員が必要だ。現時点では米船籍の船を大幅に増やしても乗組員が十分にいない」と述べた。近年の民主党政権、共和党政権とも、特に中国が南シナ海での海軍力を誇示し、台湾を威嚇する中で、船舶不足を米国防政策の弱点として認識してきた。両党の議員たちは協力して、米国の造船と海運力を強化する法案に取り組んでいる。彼らの目標の多くは、国内造船業の復活と米船籍の商船への需要を刺激することを目的にトランプ氏が9日署名した大統領令に盛り込まれた。
海運支配望むトランプ氏、船員不足が障害に
中国への対抗目指す中、米海軍も海運業者も商船員確保に苦労
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