サンフランシスコで先日開かれた読書会の集まりで、文学談義に入る前に参加者が一人ずつ近況を報告した。会社の役員になった人もいれば、新しい論文を発表したばかりだという人もいた。キャスリーン・ジェイナスさんは自分の番になると、「マグネシウム!」と答えた。「全員、『キャスリーンはまた新しい睡眠のコツを見つけたよ』と言わんばかりだった」。しかし数日後、マグネシウムについてジェイナスさんに聞こうと、「みんながメールを送ってきた」という。毎晩少なくとも一度は目が覚める生活を20年間送ってきたジェイナスさんは、睡眠を改善する方法を探していた。だが、不眠に悩んでいたのは自分だけではなかった。「私が知っている女性は全員、睡眠の不満を訴えている」と、作家でスタンフォード大学講師として社会的企業活動について教えているジェイナスさんは言う。「私たちは疲れ切っていて、頭が夜中に空回りしている」。それまでに、毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きる、アルコールを断つ、朝一番で外を歩くなどの方法を試したが、どれも大した効果はなかった。