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苦手だった人と久しぶりに会ってみたら
今日は、「人は変わる」というお話をしてみたいと思います。もちろん、当たり前のことかもしれませんが、今回は“良いほうに変わる”というテーマでお話しします。
最近、少し前まで苦手意識があった人と、久しぶりに会う機会がありました。その人には以前、自慢話のような言い方をされて、ちょっと嫌だなと感じていたんです。
ところが、今回は全然そんな様子がなくて、すごく穏やかに会話できました。以前の自慢話が消えただけで、話していてとても楽しかったんです。
「嫌なところ=その人全部」ではない
この経験を通して、「人って本当に変わるんだな」と改めて思いました。そして同時に、「一部が嫌だからといって、その人を丸ごと否定するのは違う」とも感じたのです。
苦手な人を避けるのもいいのですが、それだけだと、心のどこかに引っかかりがあったりして、かえって振り回されることにもなりかねません。
もちろん、無理して会う必要はありません。でも、「この人とは合わない」と思って完全にシャットアウトしてしまうと、相手の良い面が見えなくなってしまいます。
人は誰しも良い面と嫌な面を持っている
人間は誰しも、良い面もあれば嫌な面もあります。そしてそのバランスや出方は、状況やタイミングで大きく変わるものです。
だからこそ、「一度ダメだったから、もうずっとダメ」と決めつけてしまうのは、もったいないことだと思います。
ご縁を受け入れることの大切さ
無理のない範囲で、「たまたま会う機会があったら話してみる」「たまには飲んでみる」みたいなことって、大切だなと思うのです。
もちろん、実際に会ってみて「やっぱり無理だな」と感じたら、そのときは自分のペースで距離をおけばいい。でも、「また会ってみたら、印象が変わるかもしれない」と思えるだけで、人間関係の見え方って変わってきます。
自分も相手も変わっていくもの
人間って、環境や立場が変われば、価値観も変わります。相手も変わるし、自分自身も変わる。だからこそ、以前は合わなかった相手と、ある日突然、話が合うようになることだってあるのです。
そういう再会のチャンスは、私は「ご縁」だと思っています。
拒絶ではなく、しなやかなスタンスで
だからもし、まったく会う気がなかった人と偶然会う機会が訪れたら、それはご縁かもしれません。
拒絶するのではなく、「今の自分の目で、もう一度見てみよう」と受け入れてみる。そういう姿勢が、人との関係をより豊かにしてくれるのではないでしょうか。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。