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【精神科医が教える】自分の悪口を言われていることがわかったとき、頭のいい人はどうする?Photo: Adobe Stock

自分への悪口すら楽しむという発想

 今日は少しアグレッシブなテーマ、「自分への悪口すら楽しむ」という考え方についてお話ししてみようと思います。

 まず最初にお伝えしたいのは、この考え方は「できる人だけでいい」ということです。「そんなこと絶対に無理」と感じる人も多いと思いますし、それはそれで自然なことです。無理をする必要はまったくありません。

 ただ、もし悪口が聞こえてきたとき、「関係ないし、どうでもいい」と思える余裕があれば、心がぐっとラクになるのは確かです。

悪口を言う人は「関わる価値がない」
と自ら証明している

 私はよく、「悪口を言う人というのは、自分が関わる価値のない人間だと自ら示している」とお話しします。

 つまり、その人がどうこうというより、「ああ、そういう世界に生きている人なんだな」と思えばいいのです。そう割り切れるようになれば、悪口に振り回される必要はなくなります。

心の中にギャルを置いてみる

 そこでおすすめしたいのが、「心の中にギャルを置いてみる」という発想です。

 たとえば、誰かが悪口を言ってきたときに、
「なにそれ、ウケるんだけど」
「それ、私やってないし~」

 みたいなノリで受け止めてみる。ちょっと笑って流す。これができると、本当に強くなれます。

根も葉もない悪口は
むしろシュールで笑えることも

 悪口って、よく聞いてみると「それ、どこから出てきたの?」という話も多いですよね。「○○らしいよ」とか、「どうやらあの人は~らしい」みたいな、根拠のないうわさ話って結構シュールだったりします。

 そんなときは、心のギャルが「それマジうける~」とツッコミを入れてくれたらOKです。

本人が気にしなければ
悪口の攻撃力はゼロになる

 そもそも、悪口に本当の力はありません。あなたが気にしなければ、それはただの空気。「え?そんなこと言われてたの?へえ~」で終わってしまう程度のものです。

 そこに真実がないなら、受け止める必要もありませんよね。

黒い感情を「観察する力」も
時には役に立つ

 もちろん、すべての悪口を笑い飛ばすのが正解というわけではありません。ただ、たまには「人間って、ここまでひねくれて解釈できるんだな」と、観察材料として捉えるのもひとつの方法です。

 世の中は、きれいで、優しくて、効率的で…といった理想だけではできていません。小説やアートの世界では、昔からブラックユーモアやどす黒さを通じて人間の本質に迫る表現がありましたよね。

「痛みをともなう練習」
だからこそ無理は禁物

 悪口や陰口を材料にして「心の鍛錬」をするのは、確かに強くなれる方法かもしれません。でも、これは「痛みをともなう練習」でもあります。だからこそ、無理はしないでください。

 できそうなときにだけ、ちょっとだけギャルを心に登場させて、「うけるんだけど~」と流してみる。それくらいでちょうどいいんです。

強さとは「気にしない技術」でもある

 悪口や陰口に対して過剰に反応しない、あるいは笑って受け流す。これができるようになると、本当に心が強くなります。

 でも、あくまで「できそうならやってみてくださいね」という提案です。無理せず、自分のペースで取り入れていきましょう。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。