
今、データを全く活用しないビジネスパーソンはいないだろう。データは非常に便利なものだ。しかし、万能ではない。デキるビジネスパーソンこそ、それを心得て、慎重に向き合っている。ある事例をもとに考えてみよう。(山田進太郎D&I財団 COO 石倉秀明)
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データは万能ではない
デキるビジネスパーソンはどう考える?
仕事をしていると日々さまざまなデータと接するだろう。
事業収益はもちろん、マーケティングや採用の施策の結果がどうなっているかを把握するのにもデータは非常に便利だし、ビジネスパーソンにとっては必須のものだ。
そして、データは万能なように見える。データは真実を表すと思っている人も多いだろうし、事実としてデータは現時点での状態を正確に表す。
しかし、データは実は万能ではない。
なぜなら同じデータでもどう解釈するか、データの取得方法、分析方法などによって全く違う真実が見えてくるからである。
デキるビジネスパーソンは、そのことを知っている。だからこそ、データを重視するものの、そのデータの解釈やデータの奥にあるメカニズムについて注意深く考えるのだ。
例を挙げてみたい。
東京・代々木に、鉄緑会という主に東京大学進学を目的とした進学塾がある。東大合格者のうち、毎年かなりの割合が鉄緑会出身ということで時折話題に上がる。次の表は、その鉄緑会が公表している2024年度の東大合格実績だ。
さて、今回は鉄緑会についてではなく、こうしたデータを見たときに「どう考えるか?」で仕事の質が変わるという話をしたい。
このデータを見たときに、「鉄緑会はすごい!」と単純に感じる人がいたらかなり要注意だ。