
トランプ関税により株価の乱高下が続いているが、「インフレ時代に勝てるのはアクティブ運用」と、投資の専門家は公言する。人気のインデックス運用ではなく、骨太のアクティブ運用がインフレに強い、その納得の理由とは?※本稿は、中野晴啓『ほったらかし投資はやめなさい』(宝島社)の一部を抜粋・編集したものです。
インフレ時代だからこそ
アクティブ運用が求められるワケ
岸田政権時代から掲げられてきた「資産運用立国」を実現するため、国は資産運用業の高度化を図る施策を進めています。
では、運用の高度化とは、具体的に何を意味すると思いますか?AIによる市場予測やクォンツ(統計的・計量的分析)、デリバティブ(金融派生商品)の活用などを連想した読者もいるかもしれません。
しかし、個々の企業の本源的価値を合理的かつ科学的に分析して導き出す能力を磨き上げていくことこそ、運用の高度化に直結するものだと私は考えています。
本源的価値とは、その企業が事業を通じて創出していくものです。新たな富を生む力であり、投資家には本源的価値の高い企業を選び抜き、忍耐強く長い時間軸で保有し続けていくことが求められていると思います。
今、この国に求められているのは、本格的な長期投資を実践する骨太のアクティブ運用ファンドです。私が新会社を設立した理由の1つは、そういったファンドを自分の手で提供したいと考えたことにあります。
そして、もう1つの大きな理由は、まさに目の前でインフレ社会への転換が進んでいること。
インフレが恒常化すれば、資産運用の在り方も抜本的に見直す必要が生じます。