
新NISAの人気商品・オルカンやS&P500の右肩上がりは米国株の上昇によって支えられてきたといえる。新NISA界隈では「S&P500やオルカンを買って、ほったらかしておけば大丈夫」という風潮だが、トランプ関税の影響もあり今後どのようなトレンドに転じるかは予測不能だ。右肩下がりで推移し、パニック売りが相次ぎ、「投資をやめるブーム」が到来するのではないか!?投資のプロがあやうい現状を読み解く。※本稿は、中野晴啓『ほったらかし投資はやめなさい』(宝島社)の一部を抜粋・編集したものです。
「インデックス投資以外はすべて邪道」
という偏った論調が広まる要因
投資に詳しい人やいち早くインデックスファンドへの積み立て投資を実践している人がブログや動画サイトなどを通じて盛んに情報発信したこともあって、S&P500(編集部注/アメリカの代表的な株価指数の1つで、大手企業約500社の時価総額をもとに算出されている)やオルカン(編集部注/オール・カントリーの略称。低コストで日本を含む全世界の株に投資できる)に連動するインデックスファンドは一気に人気化しました。
これからは新NISAの「つみたて投資枠」で選ばれている投資信託で他のファンドを圧倒する支持を獲得していますが、それらの商品性をきちんと理解したうえで投資を始めたのかどうかが疑わしいケースも少なくない様子です。
たとえば、金融機関の窓口を訪ねて、こんな話を持ちかける人がいるそうです。
「ユーチューブで○○って人がイチオシしていたオルカンって、こちらで取り扱っていますか?新NISAを始めるなら、オルカンの一択だって聞いたもので……」