小さな会社や個人商店が今すぐ売上をあげようと思った時、どの販促ツールから作ればいいのか?『「A4」1枚チラシで今すぐ売上をあげるすごい方法 「マンダラ広告作成法」で売れるコピー・広告が1時間でつくれる!』(ダイヤモンド社刊)では、販促コンサルタントの岡本達彦氏が、今すぐ売上をあげるために必要な「A4」1枚チラシを誰でもつくれる「マンダラ広告作成法」という新しい販促手法を紹介。小さな会社が、今すぐ売上をあげられるすごい方法がわかると好評です。前回の連載に続いて、さらに全10回にわたり書き下ろしの記事を公開します。

今の時代は「安さ」より「信頼」で選ばれる
販促コンサルタントの岡本達彦です。
「初回限定50%OFF!」
「今だけのキャンペーン!」
「無料体験つき!」
これらの販促手法は、一時的な集客には効果があります。しかし、信頼にはつながりにくいという重大な弱点があります。
実際、こういった割引キャンペーンに反応したお客様の多くは、
「安いから来ただけ」
「1回限りで満足」
「また次も割引じゃないと来ない」
となり、リピートや紹介につながらないケースが非常に多いのです。
特に、医療・美容・教育・コンサル・高単価サービスなど、不安を抱えた状態で申し込むジャンルほど、信頼性が決定的に重要です。人は、価格の安さよりも、
「ここなら大丈夫そう」
「失敗しなさそう」
「本当に自分に合ってそう」
と感じたときに行動します。
その感じさせ方をつくるのが、広告における信頼設計です。
信頼される広告に欠かせない「2つの要素」
①【証拠】=自分以外の誰かの声
人は、企業の説明よりも「第三者の声」を信用します。そのため、広告には以下のような証拠となる情報が欠かせません。
・お客様の声(口コミ・アンケート)
・利用者の写真・年齢・属性
・ビフォーアフターの具体例
・SNSの投稿や紹介の実績
・メディア掲載や専門家の推薦
特に、実在感のある声は強力です。
「40代女性・会社員:初めてで不安でしたが…」など、自分と重ねられる人物像があると、読み手は信じやすくなります。
②【安心感】=リスクが少ない仕組み
人は、商品やサービスよりも、「失敗したくない」気持ちで行動を止めています。その不安を和らげる要素が必要です。
・無理な営業なし・キャンセル自由
・初回は無料または相談のみ
・担当者の顔・人柄・実績が見える
・小さく試せる・返金保証あり
・「まずはLINEから相談OK」など気軽な入り口
広告には、このお店・会社は自分を裏切らなそうだと思ってもらえる設計が必要なのです。
「売れる広告」は、売り込まずに信頼させている
成功している広告は、次のような構成になっています。
・読み手の悩みに共感(=心を開かせる)
・なぜこの商品・サービスなのかを説明(=納得させる)
・実際に使った人の声で証拠を出す(=信じさせる)
・気軽に試せる仕組みで不安を解消(=背中を押す)
いきなり特典や割引を打ち出すのではなく、信頼を積み上げてからオファーする。これが今の時代に合った販促の流れです。
「安心感のない広告」は、安さに頼るしかなくなる
逆に、安心感も証拠もない広告は、どうなるか?
・割引競争に巻き込まれる
・「安いから」でしか選ばれない
・リピーターが育たない
・客単価が上がらない
つまり、信頼がない販促は、価格でしか勝負できない状態に陥るのです。
「価格より先に、信頼される空気を広告に宿らせる
「ここなら安心」
「無理に売られなそう」
「ちゃんと話を聞いてくれそう」
こんな印象を持ってもらえる広告には、特典や価格に頼らずとも人が集まります。
特に長く通ってもらいたい商売なら、「1回来てもらう」より「信頼してもらう」を優先すべきなのです。
値引きよりも納得と安心が、人を動かす
割引や特典は短期的なフックになりますが、売上を安定させ、ファンを増やしていくためには「信頼」がすべての基盤です。
そして、その信頼は、言葉の積み重ねで広告の中に設計することができるのです。
株式会社アカウント・プラニング代表取締役
販促コンサルタント
広告制作会社時代に100億円を超える販促展開を見て培った成功体験をベースに、難しいマーケティングや心理学を勉強しなくてもアンケートから売れる広告を作る広告作成手法を日本で初めて体系化する。業界を問わず、お金をかけないで簡単にでき、即効性もあることから、全国の公的機関、経済団体、フランチャイズ本部からセミナー依頼が急増し、社内に仕組みとして取り入れたいという会社からのコンサルティング依頼は後を絶たない。著書にアマゾン上陸15年「売れたビジネス書50冊」にランクインし、販促書籍のベストセラーとなった『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法 チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる!』(ダイヤモンド社)などがある。