「普通の人」が大きく成長できるのが大学受験
――なるほど。「自分で決める」のも大事なことなんですね。
びーやま:そうですね。それは間違いありません。今の時代、「大学に行くのが当たり前」みたいな風潮がありますが、本来大学なんて行かなくてもいいところです。義務教育ではないわけですから。
それでもわざわざ大学に行くという選択を自分でするわけですから、そこには「意思決定力」も求められますよね。
その意味では、「自分で決めて」「自分で計画して」「自分で実行する」。これが一度に真剣に経験できるのが大学受験なんです。しかもそれで合格できたら成功体験として自信もつきますからいいことだらけですよね。
――びーやまさんも大学受験でそういった能力を身につけられたんですか?
びーやま:そうです。高校時代の僕は部活も恋愛も勉強もそこそこだったんです。「部活動は県大会に出るくらい」「彼女はいるけど、所詮は田舎にいる普通の高校生カップル」「勉強はできなくはないけど真ん中からちょっと上くらい」みたいな。
自分のことなので厳し目に言いますが、要するに中途半端な高校生だったんです。
なので、高校は楽しかったですけど、このままでいいのかなという不安も抱えていました。そんなときに自分に変わるきっかけをくれたのが大学受験でした。
これまでとは違って全部を投げ打って全力を尽くさなければいけない。志望校も自分で決めて、情報も自分で集める。高校生活で一番頑張れている実感がありました。
結局浪人はしてしまいましたけど、あのときほど必死になった経験はないので、すごく自分の成長を感じました。
――なるほど。まさに人生の分岐点だったわけですね。
びーやま:それは間違いないです。大学受験の結果うんぬんではなく、プロセスそのものが僕の人生を変えてくれました。
僕をはじめ、多くの人は「普通の人」だと思うんです。スポーツや芸術で抜きん出られるわけでもなく、悪いわけでもないけど良いわけでもないみたいな。そうなると、真剣に頑張れる場所ってそんなに世の中多くないんです。
でも、大学受験は、そういった普通の人が頑張れる場所になっているというか、問題も解答も決まっていて、合格点もはっきりわかるなかでどれだけ頑張れるかっていうのを問われるんです。
その意味で、僕は普通の人が頑張れる場所をつくるために大学受験があるんじゃないかと思っています。もちろん、天才たちが強いのもわかりますが、本当に天才しか進学できないのは一部の大学の一部の学部だけですからね。