受験を通して弱い自分の勝て

――びーやまさんは大学受験でご自身が成長できたと思うところはなんですか?

びーやま:僕は先ほどの3つの力で言うと「実行力」が特に磨かれたと感じています。

 やっぱり大学受験の勉強ってつらくて逃げ出したくなるものばかりなんです。覚えなければいけないことは膨大ですし、過去問を見たって意味がわからないことばかりで、まず心が折れます。

 それに比べると世の中には楽しいことがたくさんありますよね。漫画読んだり、ゲームしたり。最近だとSNSもそうですよね。そうすると、そっちに逃げたくなるんです。楽なので。「勉強は休憩して、一度楽しいことしよう」みたいな。

 でも、その弱い心を振り払って机に向かうというのはすごく大変なことで、僕は大学受験を通して、自分の弱い心との戦い方を覚えましたね。今でも気乗りしない仕事ややりたくないことがあったとしても、「逃げずにやり切ろう」と思えるのは大学受験の経験があるからです。

――すごくあるあるな気がします。

びーやま:ですよね。計画を立てるまでは楽しいので意外とどうにかなるんですが、それを実行に移すとなると途端に難易度が上がります。

 でも、そこにこそ生ていくために必要な考え方が隠れていると思いますし、受験や勉強から逃げ続けた人は得ることのできない経験なのではないでしょうか。なので僕は「高学歴」でしか得られないことはあると思っています。

 もちろんこの「高学歴」とは世の中的な評価ではなく、「その人の中での高学歴」という意味です。どんなレベルであれ、自分の壁を突破するのは本当に大変なことですからね。

――大学受験の本質が見えた気がします。ただのペーパーテストじゃないですね。

びーやま:そうですね。ペーパーテストだけのように見えて、実は学べる人生の教訓がたくさんあるのが大学受験です。なので今の受験生には大学受験を通してたくさんの経験をしてほしいなと思います。

 これはよく受験生に言うのですが、「つらい」というのは成長している証拠です。人は楽なことをしているときには成長しないですからね。その意味では、受験勉強における「つらい」という感情は「成長痛」のようなものなので、「今の自分は間違っていない」と自分を信じて突き進んでほしいです。その先で得られるものはきっとすばらしいものなはずです。

――ありがとうございました。大変勉強になりました。

びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。