結局は1ランク上との闘い
――MARCHはどうでしょうか。
びーやま:MARCHもむずかしいですが、東大レベルの学生が受けることはそこまで多くないですからね。早慶ほどの難易度ではありません。
ただ、MARCHはMARCHで、多くの合格は「東大京大志望に押し出された早慶志望」に占められますから、結局はワンランク上との戦いになるわけです。
とはいえ、戦う相手は早慶志望ですから東大京大志望ほど大変ではありません。
加えてMARCHは学校数も学部も多いですから、戦略次第で早慶志望を回避しやすいという特徴もあります。
――結局は志望校の1つ上のレベルが求められるわけですね。
びーやま:そうですね。ただ、ここで勘違いしてほしくないのは、それでも結局は第一志望の対策をした人が一番強いということです。東大志望は東大対策に一番時間を割きますし、早慶志望は早慶対策に一番時間を割きます。
その意味では、誰もが第二志望以下の対策時間は確実に減ります。
そこが勝負どころです。早慶志望の対策は早慶志望が一番できますし、MARCHの対策はMARCH志望が一番できるわけですから、その質を高めていくことが大事です。
MARCHだけど早慶レベルの問題を全部解けるようにする必要はまったくなくて、自分のレベルの質を上げていくことが大事なのです。
「第一志望の入試問題だったら絶対に負けない」という状態に自分を持っていくことで自然と合格に近づくことができます。
――よく理解できました。問題や求めている学生の傾向に違いなどはあるのでしょうか。
びーやま:早慶は特殊な問題までカバーする。MARCHは基礎を「絶対に」取りこぼさないというのが傾向だと思います。どちらのグループも特殊な問題は多いですが、その傾向が早慶は本当に強いです。予備校によって解答が割れることもあるくらいですから普通のことではありません。そのくらい早慶の問題というのは特殊です。教科書を完璧にしただけでは合格点まで持っていくのは正直むずかしいでしょう。
対してMARCHは見え方は違えど基礎が中心であり、いかに基礎問題を取りこぼさないかが重要になります。むずかしく見える問題も基礎の応用だったりするので、コツコツ型の勉強が報われやすい印象です。なので早慶を志望している学生は基礎をしっかりと固めたうえでしっかりと特殊な問題も取れるようにならないと合格は近づきません。
求めている学生像にそこまで違いはないと感じます。どちらも普通に優秀な印象です。