いつも浅い話ばかりで、深い会話ができない」「踏み込んだ質問は避けて、当たり障りのない話ばかりしてしまう」上司や部下・同僚、取引先・お客さん、家族・友人との人間関係がうまくいかず「このままでいいのか」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
世界16カ国で続々刊行され、累計26万部を超えるベストセラーとなった『QUEST「質問」の哲学――「究極の知性」と「勇敢な思考」をもたらす』から「人生が変わるコミュニケーションの技術と考え方」を本記事で紹介します。

「忙しいのに、なぜ哲学?」→その理由に、納得せざるを得なかったPhoto: Adobe Stock

なぜ現代人に「質問の哲学」が必要なのか?

現代人は、ただでさえ十分に忙しい日々を送っている。それなのになぜ、良い質問をしたり、哲学的な態度を身につけたりする訓練をすべきなのだろうか?

正当な理由はたくさんある。

まず、それは今の世界が必要としていることだからだ。

時代のスピードが速く、二極化が進む現代では、ペースを落とし、哲学的な態度を取り、相手に純粋な関心をもち、適切な質問の技法を知っている人は、大きな恩恵を受けられる。

公開討論やトークショーインタビューオピニオン記事オンラインやオフラインでの議論、さらには夕食時の白熱した会話まで、今日の議論は攻撃と防御の形を取ることが多い。

その結果、雑多な意見の寄せ集めや、反対意見との綱引きに煽られた泥仕合に終わるのが関の山だ。

ほとぼりが冷めると、誰もが自分の陣営に引きこもり、自らの閉ざされた考えにさらに深く沈んでいく。

私たちは、自分の意見を押しつけようとするのではなく、相手に注意を向け、話に耳を傾け、理解するための方法を見つけなければならない。

そのために必要になるのは、深い理解につながる適切な質問だ。

それがないと、創造性や想像力、批判的に考える能力が失われてしまう。

質問の焦点を絞ることで、私たちはこれらのスキルを身につけ、効果的かつ繊細な方法で、豊かで、自由で、複雑な会話ができるようになる。本書は、それを支援する。

私たちは、好奇心をもち、質問し、相手の視点を探ろうとする態度を、今この場所から始められる。

目の前の相手との会話の中で、友人や家族との会話の中で、夕食の席で職場で仕事帰りの飲みの席で――。

私たちは日々の会話を通して、この良い変化を起こしていけるのだ。

(本記事は『QUEST「質問」の哲学――「究極の知性」と「勇敢な思考」をもたらす』の一部を抜粋・編集したものです)