ポイントはいくつかあります。
ひとつは共通項を見つけることです。
友人形成の研究によると、人は同じ要素や似た要素「ホモフィリー」があると惹かれ合い、友人になりやすいことがわかっています。「類は友を呼ぶ」とはまさにこのことですね。英語ではこういうことわざもあります。Birds of a feather flock together.(同じ羽の鳥は一緒に集まる)
本来は、相手が異性でも、子どもでも学生でも社会人でも、同じ共通点があれば友だちになれるということを意味しています。
でも、多くの人は友だちというと、次のような定義をしているのではないでしょうか。
友だちは「同世代の同性」
この考えが、友だちをつくりにくくさせているひとつの要因です。同世代、かつ同性の中から探そうとすると、すでに選択の幅が狭くなっています。特に日本人はこの傾向が強いです。
友だちをつくるのに
性別や年齢は関係ない
また高齢になればなるほど、同世代の人は亡くなっていくため、友だちをつくるという視点で見ると、同世代同性の友だちしかいないのは、さらにリスクがあります。
歳の差がある友人関係のことを、「エイジギャップフレンドシップ」と言います(歳の差カップルならぬ、歳の差フレンズ)。
欧米では増えているようで、音楽関係では、エルトン・ジョン(77)&ブルーノ・マーズ(39)なども歳の差フレンズとして有名です。
欧米では、この歳の差フレンズに拍車をかけているのが、SNSやインターネットの利用です。SNSで発信したり、インターネットなどで特定のコミュニティーに参加したりすると、世代を超えた交流を手軽に実現することができます。これからは、日本も高齢者ほどSNSが役に立つ時代が来るのではないでしょうか。
年下の友人がいる高齢者の特徴は、自分が相手よりも年長でも相手と対等に接する人が多いことです。私も20歳年上の友人がいますが、その人は最初に会ったときから私を年下と思って接するのではなく、敬語を使って対等に接してくれたのがとても印象的でした。人は上下関係で接することを嫌います。対等に接して初めて友だちと言えるのです。
自分が思っている友だちの定義を変更し、歳の離れた人、異性で友だちになれる人がいないか探してみると、意外と見つかるかもしれません。そのとき大切なことは、相手と対等に接することです。