日本株はまだまだROEが低い
その分、改善の余地があることが魅力

――もう1つのカタリスト、「内部要因」(ミクロ要因)とは?

安西 企業個別の要因で、「資本効率の上昇」「収益の拡大」「採算性の改善」を見極めます。中でも、特に効果を発揮したのは「資本効率の改善」ですね。自社株買いや配当性向の引き上げなど、ROEの改善にどれだけ意欲的なのかを、企業側とディスカッションする中で探っていきます。

――やる気が感じられない企業もあるのですか?

安西 大いにあります。でも、少なくとも3年前、4年前と比べて、こうした議論を企業のマネジメントとできるようになったことが、大きな変化だと思うんですよ。

 日本株は、米国株に比べてROEがまだまだ低い。S&P500が平均18%であるのに対して、TOPIXは8%程度です。稼ぐ力はついていて、中長期的に利益率は改善傾向にあるのですが、やはり資本効率が低いことが非常に問題なわけです。

 しかし、見方を変えれば改善の余地、余力が大きいということです。実際に、東証の資本効率改善要請も大きなきっかけとなって、会社側もその意識を強めています。2024年度の自社株買いは2023年度から倍増しそうですし、政策保有株をどんどん売却して、その資金を株主還元と成長投資に充てる動きも加速しています。

 日本株市場は景気に左右され、今はトランプ氏の政策の悪影響も受けていますが、割安株を取り巻く環境、割安株にとどまらず日本株を取り巻く環境は、非常に前向きに評価できると考えています。


◆日本株総合部門 最優秀賞
One割安日本株ファンド(年1回決算型)」とは

この数年、日本では割安株や高配当株が有利な市場環境が続いてきた。しかし、市場では割安株が有利な状況、成長株が有利な状況といった変化が起きる。「One割安日本株ファンド(年1回決算型)」は上昇率が高いだけでなく、割安株投資が不利な時でも、同タイプの投資信託に比べて成績の落ち込みが小さかった。割安性に加えて成長性も取り込む、巧みな運用が光る。

ダイヤモンド・ザイ NISA投信グランプリとは
ダイヤモンド・ザイでは1年に1回、「NISAで買える本当にイイ投資信託」を部門別にランキングし、上位のファンドを表彰している。人気や知名度ではなく、データを最重視した完全実力主義のアワードだ。「1.どれだけ上がったか(上昇率)、2.どんな時も下がらない(下がりにくさ)、3.ずっと優等生(成績の安定度)」の3つの独自基準で評価を行う。また、非常に人気があり多くのお金を集めているにもかかわらず成績が振るわない投資信託も、「もっとがんばりま賞」として発表している。

<ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2025>
[2025年]受賞投資信託30本一覧

日本株総合部門
日本中小型株部門
米国株部門
世界株部門
新興国株部門
リート部門
フレッシャー賞
もっとがんばりま賞
(番外編)インデックス型「最安ランキング」
▼当グランプリの「選定基準」はこちら⇒https://diamond.jp/articles/-/363017