一番売れてる月刊マネー誌『ダイヤモンドZAi』が、そのノウハウを駆使して、6回連続のオンライン講座「株の学校」を開校! 株の基礎知識や“7つの儲け方”を、ザイのアナリスト2人が徹底解説した。この記事では第4回の中身を一部お届けする。今回のテーマは、2024年に一気に増加し、存在感を増した「自社株買い」。今後、自社株買いを実施する期待が持てる銘柄についてもプロが紹介する。(ダイヤモンド・ザイ編集部)
【※株の学校 第4回の「その1」はこちら】
⇒「こりゃ納得だわ!」“自社株買い”で株価が上がる仕組みをプロが徹底解説【株の学校 第4回:その1】
2024年の日本株の最大の買い手は?
その意外な答えとは

ザイ優待アナリスト 小林大純(こばやし・ひろずみ) 早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(現経営管理研究科)修了(MBA)。金融情報サービス会社などを経て2022年6月より現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。

ザイ配当アナリスト 仲村幸浩(なかむら・ゆきひろ) 立教大学経済学部卒業。日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)。証券会社や金融情報サービス会社を経て2023年10月より現職。マーケットアナリストとして各種メディアで活動中。

もう1つデータがありますね。上のスライドは何ですか?

自社株買いが株式市場に大きな影響を与えている、というのを伝えたくて用意しました。これは、個人投資家や海外の投資家、企業など、市場に参加している主体を属性ごとに分けて、株をどのくらい売買したかというデータです。

なるほど、上のは「事業法人」つまり銀行とか証券会社などの金融機関ではない、普通の会社が、株を買い越した金額の年次推移ですね。

「買い越し」とは、買った金額から売った金額を差し引いたものです。それが、2024年にやはり一気に増えています。事業法人の買い越しは、自社株買いが背景にあるといわれていまして、つまり自社株買いが増えたことを示しています。

そして注目は、同じ2024年の個人投資家や海外投資家の動向ですね。

はい、個人投資家は、2024年は2兆円以上の売り越し。海外投資家は買い越しではありますが、わずか1500億円ほどです。

2024年は日経平均株価が史上最高値を更新しましたし、個人投資家が存在感を発揮したかと思いきや、売り越しだったのですね。

新たに買った人も多かった一方、これまで保有したまま寝かしていた株を売った人も多かったのかもしれません。いずれにしても、個人投資家も海外投資家も、事業法人の買い越し額と比べるとかなり小さかったのです。
結局、2024年の日本株の最大の買い手は企業自身だった、といえます。

ということは、もしも自社株買いがなかったら、株価は大崩れしていたかもしれませんね。

はい、自社株買いの存在感がおわかりいただけたかと思います。
次に、最近の自社株買いの金額ランキングを見てみましょう。上のスライドは、2024年4月から2025年2月4日までの発表分で、自社株買いが未完了のものです。

誰もが知っているような有名企業が並んでいますね。先ほどホンダが1.1兆円だという話がありましたが、さらに大きいのがトヨタ自動車の1.2兆円。軒並み数千億円の規模ですね。

こうした大規模な自社株買いが、頻繁に行われていると思ってください。

ではこのパートの最後に、今後、自社株買いの実施が期待できる銘柄を、小林さんに教えてもらいましょうか。