この場合、家庭教師が教えてくれる身の丈に合った内容だけが実際の成長部分となり、塾に払っている授業料はほぼ無駄になってしまうリスクがあります。

 それであれば、最初から家庭教師のみを利用するか、子どもが理解して吸収できるレベルの授業をしてくれる塾に通わせたほうが、授業料に対して得られる価値が大きくなります。基礎学力が不足している状態で難しい授業を受けさせることは、お金を払ったにもかかわらず、授業料に対して十分な成果が得られない危険性を高めます。

 このような状況が続くと親御さんの期待が外れ、結果的に焦りを感じることが多くなります。その焦りが、最終的には子どもに対する苛立ちや怒りとなり、家族関係の悪化や子どものモチベーションの低下につながることが少なくありません。また、焦りや苛立ちから、さらに追加のサポートやオプション講座に課金してしまい、課金がエスカレートしてしまうケースもあり、これは負のスパイラルを生むリスクがあります。

 お子さんの基礎学力がしっかりしていない段階で、ハイレベルな塾や難易度の高い授業に課金しすぎるのは効果的ではありません。今のお子さんのレベルに合った指導を提供する塾や家庭教師を選ぶことで、授業料に対する効果を最大化することができます。無駄な課金を避け、ストレスのない受験勉強を親子で進めるためにも、基礎学力の確認とマッチングが重要です。

注意点(2)オーバースペックな
オプションは時間と費用の無駄に

 塾では、通常の授業に加えて、さまざまなオプション講座が用意されています。しかし、これらのオプション講座も、子どもの学力やニーズに合わないものを受講したら成果が出ず、無駄な出費になりがちです。

 例えば、基礎学力がまだ定着していない子どもに難問対策講座を取らせる、といったオーバースペックな選択は、時間とお金の両方を浪費する結果となります。オプション講座は、必要に応じて賢く利用することが大切です。まずはお子さんの現状を把握し、今、必要なサポートが何かを見極めましょう。