ソフトバンク・周東佑京選手福岡ソフトバンクホークス・周東佑京選手 Photo:SANKEI

“金満球団”と揶揄されがちな福岡ソフトバンクホークス。だが、チームを支えているのは周東佑京や中村晃、野村勇などの生え抜きの選手だ。彼らには共通して、シンプルで再現性の高い思考法があるという。メンタルコーチとして選手を見てきた筆者が、その実践的な考え方を解説する。※本稿は、伴 元裕『集中力革命 ブレても力を発揮するメンタルの技術』(Gakken)の一部を抜粋・編集したものです。

「行動」に集中できていると
いい「結果」に結びついていく

 2025年のホークス春季キャンプでのこと。約60人の選手に、直近のベストパフォーマンスを振り返ってもらい、そのときプレー中に何に意識を向けていたのかを、できるだけ具体的に書き出してもらいました。

 その結果、60人中60人、全員が勝ちたい、打ちたい、抑えたいといった「結果」そのものではなく、その瞬間の「行動」に注意を向けていたと答えたのでした。

 この事実が示しているのは、「選手たちが特別なことをしていた」という話ではありません。分析結果を共有した際には、「自分では結果を意識していたつもりだった」と驚く選手も少なくありませんでした。

 プレー中に、意識して行動へ集中しようとしていたわけでも、何かを変えようと決めていたわけでもない。ただ、うまくいっていた場面をあとから振り返ってみると、注意は結果ではなく、自分のプレーの中に向いていたのです。

 ここで注目したいのは、選手たちが向けていた注意の先に、共通した条件があったことです。それは、「今」「自分で」「できる」ものである、という点です。